この問題のポイント
固体、液体、気体それぞれでの分子の状態を熱運動とからめて理解する!
それぞれの状態への変化の名前と体積の変化も重要!
問1 固体、液体、気体の状態を物質の三態といいますが、ある状態から別の状態へと変わる現象には、下の図のように名前があります。
問2 ①:物質はふつう、気体、液体、固体の順で体積が大きくなっています。液体の水を電子レンジで温めると蒸発して水蒸気という気体になりますから、それにより体積が大きくなり、袋がふくらみます。
②:氷水を入れているのでガラスコップが冷たくなっていますが、それによりコップのまわりの水蒸気は冷やされ、凝縮して液体になります。コップの外側の水滴はその液体です。
③:物質が融解する温度を融点といいます。融点では物質が融解している最中ですので、融点では固体と液体が混合している状態になっています。固体が完全に融解するまでは、融点の温度のまま一定になります。水の融点は0℃ですので、この文も正しいといえます。
④:物質が沸騰する温度を沸点といい、水の沸点は100℃ですので、この文も正しいです。ちなみに、沸点では物質が蒸発している最中ですので、沸点では液体と気体が混合している状態であり、液体が完全に蒸発するまでは、沸点の温度のまま一定になります。
⑤:物質はふつう、液体と固体では液体のほうが体積が大きいのですが、水だけ固体のほうが体積が大きい(つまり、水より氷が体積が大きい)のです。よって、氷にすれば体積がもとより大きくなるはずなので、この文が誤りといえます。
問3 ①:原子や分子は温度に応じて絶えず不規則な運動をしています。これを熱運動といいますが、固体、液体、気体それぞれの状態で原子や分子はどういう状態になっているかを知るうえで、これがキーワードになります。まとめると次のようになります。
- 固体…
熱運動はおだやか→原子や分子は互いに規則どうしに並ぶ。そのため、原子や分子の互いの平均距離も短い - 液体…
熱運動は固体より活発→原子や分子は一定の範囲内(容器内など)で自由に動く。原子や分子の互いの平均距離も固体のときより長くなる - 気体…
熱運動は一番活発→原子や分子は一番自由に動く。そのため、原子や分子の互いの平均距離も一番長く、体積も最大になる
これより、①は正しいとなります。
②:①で解説したとおり、固体のときより熱運動は活発になり、これにより液体内の原子や分子は位置を変えています。
③:大気圧が変わると沸点も変わります。くわしく述べると、沸点は液体の蒸気圧が大気圧と等しくなる温度のため、高圧のもとだと沸点も高くなり、低圧のもとだと沸点も低くなります。
④:固体から直接気体になる状態変化は問1の解説にあるとおり、昇華といいます。具体例をあげると、ドライアイスという固体は直接、二酸化炭素という気体へと昇華します。
⑤:熱運動によって、液体内の原子や分子が液面から飛び出すことがありますが、これが蒸発です。液体の表面では常にこの蒸発が起こっています。見かけ上の変化がないのは、気体分子の凝縮も起こっているからです。
答え.
問1 ③ 問2 ⑤ 問3 ③