この問題のポイント
混合物においても、それぞれの物質の反応式をたてて、反応式の係数から反応に必要なモル比を求めて考えよう!
何gか、何Lかを考えるときに一つの手がかりになるのがモル数です。化学反応式にて、物質の化学式の係数、つまり横につく数字は、そのまま反応に必要な、または反応でできあがるモル数を表します。たとえば、
$\ce{N2 + 3H2 -> 2NH3}$
この反応式を見ると、「窒素1molと水素3molが反応してアンモニア2molができる」「窒素と水素とアンモニアのモル比は1:3:2」ということがわかるわけです。
今回の問題のような混合物の場合だと、いろんな物質が混ざっちゃって考えにくいですが、それぞれの物質に分けて、それぞれの物質で化学反応式をたてるとわかりやすいです。ですので、メタノールとエタノールそれぞれについて化学反応式をたてましょう。
メタノール($\ce{CH3OH}$)は燃焼させると酸素と結びついて、二酸化炭素と水をつくりますから、化学反応式は、
$\ce{2CH3OH + 3O2 -> 2CO2 + 4H2O}$
これより、メタノールと二酸化炭素と水のモル比は2:2:4 = 1:1:2とわかりますから、混合物の中にメタノールが$x$molあったとすると、このメタノールのおかげで二酸化炭素は$x$mol、水は$2x$molできたことになります。
混合物の中にあったもう一つのもの、エタノール($\ce{C2H5OH}$)についても同じように考えていきます。これも燃焼させると酸素と結びついて、二酸化炭素と水をつくりますから、化学反応式は、
$\ce{C2H5OH + 3O2 -> 2CO2 + 3H2O}$
よって、エタノールと二酸化炭素と水のモル比は1:2:3ですから、混合物の中にエタノールが$y$molあったとすると、このエタノールによって二酸化炭素が$2y$mol、水が$3y$molできたことになります。
ところで、さっきからmolで考えていますが、問題文で与えられている数値は全部グラムで書かれています。この単位をmolになおしていきましょう。
二酸化炭素1molは
12+16×2 = 44gなので、問題文で与えられた数値2.64gとは、
\( \displaystyle \frac{2.64}{44} = 0.06 \)mol
水1molは
1×2+16 = 18gなので、問題文で与えられた数値1.98gとは、
\( \displaystyle \frac{1.98}{18} = 0.11 \)mol
ということは、メタノールが化学反応をしてできた二酸化炭素とエタノールが化学反応をしてできた二酸化炭素の合計が0.06molだということになります。水についても同じように考えられます。
よって、二酸化炭素について
\( x+2y = 0.06 \)…①
という式がたてられます。
水についても同じように、
\( 2x+3y = 0.11 \)…②
という式がたてられます。
①と②の連立方程式を解くと、
\( x = 0.04 \),\( y = 0.01 \)
つまり、メタノールは0.04mol、エタノールは0.01molあったということです。
これをもとに酸素が何mol反応したのかを考えましょう。まずはメタノールの化学反応式から考えていくと、メタノールと酸素のモル比は2:3なので、メタノールと反応した酸素は、
\( \displaystyle 0.04×\frac{3}{2} \) = 0.06mol
エタノールについても同じように化学反応式から考えると、エタノールと酸素のモル比は1:3なので、エタノールと反応した酸素は、
0.01×3 = 0.03mol
よって、反応した酸素の合計は
0.06+0.03 = 0.09molです。
標準状態では、どんな気体でも1molは22.4Lですから、
22.4×0.09 = 2.016L
有効数字2桁で答えないといけないので、2.0Lと答えればOKです。
答え. 2.0L