この問題のポイント
縮合重合でできる高分子について、何を重合させて何ができるのかを、構造式とともにおさえよう!
(1)「清涼飲料水のボトルや繊維」となることがヒントとなります。
ポリエチレンテレフタレートがたくさんつながって1本の分子になり、さらにそれが集まってペットボトルなどができていくわけです。ひも状の分子なのですが、このような分子は、加熱するとそれぞれの分子がへびのように動き出して全体がやわらかくなってしまいます。この性質を熱可塑性といいます。
(2)$\ce{- COOH}$や$\ce{- OH}$、$\ce{- NH2}$など、官能基によって水分子が完成してそれがとれてしまい、縮合をくり返して重合していくことを縮合重合といいます。
6,6-ナイロンやポリエチレンテレフタレートはこの重合によって合成されます。
一方、二重結合をもつ分子が、両側に別の分子をつけて重合していく(たとえば、$\ce{C=C}$が$\ce{- C - C -}$となって別の分子をつけるようになる、など)のは付加重合といいます。
(3)6,6-ナイロンはアジピン酸とヘキサメチレンジアミンの縮合重合で合成されます。よって、( A )はカルボン酸の一種ですからアジピン酸、( B )がアミンの一種ですからヘキサメチレンジアミンとなります。
ポリエチレンテレフタレートはテレフタル酸とエチレングリコールの縮合重合で合成されます。( D )は芳香族なんですから、テレフタル酸で、( E )がエチレングリコールとなります。
6,6-ナイロンはポリアミド系でアミド結合でつながった高分子、ポリエチレンテレフタレートはポリエステル系でエステル結合でつながった高分子だということもおさえておきましょう。
また、6-ナイロンもポリアミド系なのでアミド結合でつながった高分子ですが、これは$ε$-カプロラクタムが環が開いた形でつながるので開環重合となります。
答え.
(1)ポリエチレンテレフタレート
(2)縮合重合(解答には「縮合」だけ書けばOK)
(3)