この問題でおさえておきたいこと
関係副詞は、前置詞とセットになった部分がまとめて関係詞へと変化したもの!
解答
🄰
(1)エ
(2)エ
(3)ウ
🄱
(1)The students explained to me (the reason why they were late for) the lecture.
(2)His recent promotion will (change the way we look at) him.
(3)Put the book back (to where it was when you're) through with it.
解説
🄰
(1)「私は電話がまだ珍しかった時のことを思い出すことができます。」
空所より前の部分の英語は「私はその時を思い出すことができる」という意味です。これだけだと、いつの時なのかわかりませんね?よって、空所より後ろの部分は、〈主語+動詞〉とあって文のように見えますが、実はいつの時のことなのかを示している部分だと考えることができます。
よって、後ろから修飾していることになるので関係詞が使えそうです。ただし、ここではふつうの関係代名詞をそのまま使うことができません。関係詞の問題では修飾される語句(先行詞)を、修飾している文に戻したときにどうなるかを考えるのがコツですが、その方法で考えると次の図のようになります。
このように、修飾されている語句(先行詞)をつなげるには前置詞が必要になる場合は、前置詞の意味あいも含めた関係詞である関係副詞を使う必要があります。今回は先行詞が時に関係する単語になっていますが、先行詞が時に関係する単語のとき、関係副詞はwhenを使います。よって、エが正解です。
ちなみに、今回はwhenを使いましたが、先行詞が場所に関係する単語のとき、関係副詞はwhereを使います。これもよく見かける関係副詞といえるでしょう。
例:He lives in the city where the writer was born.
(彼はその作家が生まれた市に住んでいます。)
The writer was born(その作家が生まれた)とthe cityをつなぐには、The writer was born in the city.(その作家はその市で生まれた)と前置詞が必要になるので、関係副詞を使います。
(2)「これが私が生まれた家です。」
「これは家です」と述べられてもどんな家かがわかりません。そして選択肢にある単語から、空所より後ろの部分は関係詞によって修飾しているということがわかります。よって、(1)と同じように、修飾される語句(先行詞)を、修飾している文に戻したらどうなるかを考えてみましょう。
前置詞が必要になるというのは(1)と同じです。ところが、この問題では、その前置詞が文末に取り残されてしまっていますね?ということは、この問題では関係詞に前置詞の意味あいを含める必要はないということになります。よって、この問題では関係代名詞のwhichを使えばじゅうぶんということになります。
前置詞と関係代名詞をまとめたものが関係副詞だと理解すればわかりやすいと思います。さっきの(1)の解説の最後にある例文では関係副詞が使われていました。その例文ではinという前置詞は取り残されていないので、前置詞と関係詞がまとめられた関係副詞が使われていたというわけです。
(3)「彼は田舎に別荘を買い、そこで人生の最後の日々を過ごしました。」
選択肢にある単語から、関係詞を入れる問題だと考えられますが、そうなるとおそらく修飾される語句はa cottage in the countryside(田舎の別荘)かthe countryside(田舎)かのどちらかかといえますね。では、それを空所より後ろにある文に戻したらどうなるかというと、この図のようになります。
ちなみに、この図では修飾される語句はthe countrysideととらえての説明となっていますが、どちらでとらえていたとしても考え方は同じになります。また、1文が長くなるので、「…」を使って省略している箇所もあります。
「~で過ごした」としないと空所より後ろの文とともにさせることができませんので、前置詞が必要になります。よって、前置詞の意味あいが含まれた関係副詞を使うことになり、そして修飾される語句(先行詞)が場所に関係するものなのでwhereを使わなければいけません。
そして、この問題では関係副詞の前にコンマがありますが、これは継続用法(非制限用法)とよばれるもので、「~で、そして…」のような意味で補足説明的に付け足すために使います。この用法でもどの関係詞を入れるかの考え方は、これまでとまったく同じです。
ただし、関係詞の部分を和訳するときは、ふつう関係詞以降の部分から訳しますが、継続用法(非制限用法)のときは先行詞まで先に和訳してそこから関係詞以降を「そしてそのとき」「そしてそこで」などとつなげて訳す、つまり前から訳していくということに注意です。
🄱
(1)与えられた英語では、「学生たちは私に説明した」という部分がすでに訳されています。日本語を英語に訳すとき、「誰が」「どうする」にあたる部分(〈主語+動詞〉の部分)を訳したら、その後は「どうする」の部分に近いほう、つまり日本語の文末に近いほうから訳すとうまくいくことが多いです。そう考えると「私に説明した」に近い日本語の「理由を」を訳すべきとなるので、続きはthe reasonとなりますね。
「理由を」の次に文末に近いのは「講義に遅れた」であり、この部分は何の理由かを説明したもの、つまり「理由」を修飾しています。並べかえる単語を見ると、be late for ~(~に遅れる)という表現が使えそうです。they were late for the lectureとできますね?
すると、whyだけが残りますが、この単語がこの問題のポイントです。whyは修飾される語句(先行詞)がreason(理由)のときにのみ使うことができる関係副詞です。この英文でなぜ関係副詞が必要になるかというのは、次の図で示しています。
ちなみに、説明をわかりやすくするために、正しい語順から変えている部分があります。また、1文が長くなるので、「…」を使って省略している箇所もあります。
このように、前置詞を使って1文にしたという背景があったので、関係副詞が必要だったというわけです。よって、並べかえる部分はthe reason why they were late forとすれば正解です。
(2)与えられた英語は「彼の最近の昇進は~だろう」で始まっているので、与えられた日本語を「彼の最近の昇進は、私たちの彼に対する見方を変えるだろう」と解釈しなおすこととなります。よって、willの次にくるのはchangeとわかります。
この文の「どうする」にあたる部分は英語にできたので、次に英語になおす部分は文末に近いほうからとなるので、「見方」です。「見方」とは「見る方法」ですから、「方法」を意味するthe wayが使われます。「見る方法」ということですが、誰が何を見るのかというと「私たち」が「彼」を見る方法ですよね?
「私たちが彼を見る」という語句が「方法」を修飾しているとみなすことができるわけですが、「SがVする方法」というのは、関係副詞のhowを使ってあらわすことができます。ただし、このhowは修飾される語句(先行詞)とともに使われず、how S+V ~かthe way S+V ~とあらわすことしかできません。
この問題では、howがないかわりにwayが与えられていますから、the way S+V ~を使ってあらわすしかなさそうです。なので、「私たちの彼に対する見方」、つまり「私たちが彼を見る方法」はthe way we look at himということになります。
(3)「その本を返しておいてください」という英語が与えられていて、「どうする」にあたる部分が英語にされていますから、文末に近い部分、「もとの場所へ」を英語にすることを考えます。「場所」の英語はplaceですが、与えられている語句にはそれがなく、使えそうなものはwhereしかありません。
whereは場所に関係する単語を修飾する関係副詞でしたね?ちなみに、whenは時に関係する単語のときの関係副詞、whyはreasonに使う関係副詞でした。そこで、the place(場所),the time(時),the reasonなどを修飾するときは、その修飾される単語を省略して関係副詞だけにすることがあります。何のことについて修飾(説明)しているのかは関係副詞だけ見ていたら見当がつくからです。
なので、与えられた単語から判断して、「もとの場所」というのは「それ(=本)があった場所」と考えてwhere it wasとできます。
「読んでしまったら」というのは、与えられた英文にthroughがあることからbe through with ~(~をやり終えて、~を片付けて)を使って表現すると考えます。与えられた語句にwhenもあることから、「あなたが本をやり終えたときに」と考えて組み立てていけばいいですね。