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この問題でおさえておきたいこと

時をあらわす構文は、直訳した意味を手がかりに覚えよう!
特に「~するとすぐに…」の意味をあらわす構文はそのようにすると覚えやすい!

解答
(1)ウ   (2)イ   (3)イ
(4)ア   (5)イ

解説

(1)「あなたが50歳になるまでに、世界は大いに変わってしまっていることでしょう。」

the world以降の部分について、〈will have+過去分詞〉という形がありますが、これは未来完了の形であり、ここでは「~してしまっているだろう」という意味をあらわします。したがって、「あなたが50歳になる」という文と「世界は大いに変わってしまっているだろう」という文をどうつなげれば意味が通じるかを考えればいいですね。

それぞれの選択肢の意味について、アは「~まで」、イは「~以来、~なので」、ウは「~するときまでには」、エは「~する間」です。とくに、〈by the time S+V ~〉は「~するまでには」といつまでの期限なのかを示すときに使うことができる表現であり、これを使えば2つの文の意味がうまく通じますね?byには「~まで」という意味があるので、このような表現となるわけです。

ちなみに、アのuntilも「~まで」という意味ですが、これは「~するときまでずっと」といつまでそれが続くのかという意味で使われます。ということで、これを使うと「世界は変わってしまっている」という状態が「50歳になるまで」続いて、そこから後は変わらないという意味あいになってしまうんです。

(2)「私がこの店に来るときはいつも閉まっているのです!」

直後のtimeとつながるものでなければならないわけですが、〈every time S+V ~〉や〈each time S+V ~〉で「~するときはいつでも、~するたびに」という意味をあらわします。everyは「すべての」、eachは「それぞれの」という意味なので、「~するすべてのとき」「~するそれぞれのとき」という直訳になるからこのような構文になるわけですね。

与えられた選択肢を見るとeveryはありませんが、eachがあります。よって、イが正解となります。ほかの単語についてはtimeといっしょになった構文はありません。なお、timeを使った構文としては、このようなものもあります。

  • 〈the first time S+V ~〉…「はじめて~するときに」

  • 〈(the) next time S+V ~〉…「次に~するときに」

  • 〈the last time S+V ~〉…「最後に~するときに」

(3)「まもなく私たちは再び会うでしょう。」

It will not be longで文が始まっているので、It will not be long before ~で「まもなく~するだろう」という意味をあらわす構文にピンときておきたいところです。この構文が使われた問題なので、正解はイとわかります。

直訳すると、longは「長い」、beforeは「~する前に」という意味ですから、「~する前は長くないだろう」というのが直訳です。つまり、あることをする前に空いた時間は長くあるわけではないということなので、「まもなくされる」という意味あいをあらわすというわけです。

(4)「彼が安心して大きなため息をしながら受話器を置くやいなや、電話が鳴りました。」

この文は疑問文でもないのにhad he putと語順が〈主語+動詞〉になっていないこと、そして後半に「~するとき」の意味のwhenが使われていることから、ある構文が使われていると判断できます。

Hardly had S (過去分詞) when S' (過去形)で「Sが~するやいなやS'が…」「Sが~するとすぐにS'が…」という意味をあらわす構文です。これと同じ意味の構文としてScarcely had S (過去分詞) before S' (過去形)もありますので、あわせておさえておくといいでしょう。

この構文はS had hardly (過去分詞) when S' (過去形)が本来の形です。しかし、「ほとんど~ない」の意味のhardlyが文頭にきたので、否定の意味をあらわす単語が文頭にきたときは疑問文の語順に倒置することにより、このような形になりました。scarcelyも「ほとんど~ない」という意味なので倒置が起きます。

ここで、1つ目の動詞は〈had+過去分詞〉という過去完了形、2つ目の動詞は過去形となっている理由ですが、過去完了形は過去形で述べたことよりも昔のことを述べるときに使います。つまり、この構文が意味するところを直訳すると「S'が…したときSはそれより前に~をほとんどしていなかった」となります。

先にやっていたというわけではほぼないから、結局この2つが起きたことはほぼ同時ですよ、ということを示しているというわけです。

(5)「私たちが甲板に上がるとすぐに、一人の先住民が大きな叫び声をあげました。」

No soonerという語句で文が始まっています。これはNo sooner had S (過去分詞) than S' (過去形)で「Sが~するやいなやS'が…」「Sが~するとすぐにS'が…」という意味をあらわす構文を使っています。(4)で出題された構文と同じ意味をあらわします。これもNo soonerと否定の意味をあらわす語句で文が始まっているので倒置が起こったため、このような語順になっています。

この構文の意味をとるために、いったんnoを削除して考えてみましょう。そうするとsoonerとthan(~より)があるので比較をしているわけなので、「S'が…したよりもすぐに(早く)Sが~した」という解釈ができます。

「…した」というよりも時間的に前のことをいうのでSがやったことは過去完了形になるわけですね。過去完了形と過去形という2つの形が使われているのはこういう理由です。

しかし、実際の構文ではここにnoが加わります。比較級の前に置かれるものは基本的に差をあらわすので、「早さの差はない」=「時間的に同時」ということになります。だから、「S'が…したよりもすぐにSが~したのではなくほぼ同時」=「~するとすぐに…」という意味をあらわすわけです。