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この問題でおさえておきたいこと

前置詞とセットで使う自動詞、前置詞不要の他動詞について、まちがえやすいもの、意外な意味を持つものを覚えていこう!

解答
(1)ウ   (2)ア   (3)ウ
(4)ウ   (5)ア   (6)ウ

解説

(1)「会議で発言したいならば、手を上げなければなりません。」

選択肢を見るとriseやraiseなどの似たような単語が並んでいます。それぞれの単語の意味はこのとおりです。

この問題では空所の直後にyour hand(あなたの手)とありますから、これが「何を」の部分にあたるということと、文脈をあわせて考えるとraiseが適切ですね。

このように、後ろに「何を」「何に」などの部分(目的語)がつづく動詞を他動詞といいます。他動詞は直後に目的語がつづくので間に前置詞はいりません。一方、自分だけで意味が成り立つので目的語をとらない動詞を自動詞といいます。

とくに、次の動詞は自動詞と他動詞で意味をとりちがえやすいので、セットで覚えて間違えないようにしましょう。

raiseとrise

  • raise…
    「~を上げる」という意味で必ず目的語がいるので他動詞
    活用はraise―raised―raised
  • rise…
    「上がる」という意味で自分だけで意味が成り立つので自動詞
    活用はrise―rose―risen

lieとlay

  • lay…
    「~を横にする」という意味で必ず目的語がいるので他動詞
    活用はlay―laid―laid
  • lie…
    「横たわる、横になる」という意味で自分だけで意味が成り立つので自動詞
    活用はlie―lay―lain

※とくにlieとlayは活用も要チェックです(lieの過去形とlayが同じなどの点があり、よくねらわれます)。

(2)「その少女は私の死んだ母親に非常に似ています。」

resembleは「~に似る」という意味です。「~に」というのが入っていることからわかるとおり、「何に似ているか」ということを必ずつづける必要がありますから、これは他動詞です。よって、前置詞は必要ありません。

ほかにも「前置詞が必要では?」と間違えてしまいそうになる他動詞は多くあります。とくによくねらわれるものを下に示しますので、チェックしておきましょう!

  • reach…「~に着く」

  • leave…「~から去る」

  • resemble…「~に似る」

  • approach…「~に近づく」

  • marry…「~と結婚する」

  • discuss…「~について討論する、議論する」

  • enter…「~に入る」

(3)「彼はついに、自分が2年前にパリで出会った少女と結婚しようと決心しました。」

どの選択肢もmarryという単語が使われていますが、(2)の解説の赤枠内に示されているとおり、marryは他動詞なので、前置詞は必要ありません。よって、「少女と結婚する」はmarry the girlとしてしまっていいわけです。

ちなみに、marriedという形になっている選択肢もありますが、get married to ~で「~と結婚する」という表現もあります。get marriedという語句を使うのであれば、toという前置詞が必要ですので、marry ~とget married to ~の違いに気をつけましょう!

(4)「私がしてしまったことについて彼に謝ってくれませんか?」

apologizeは「謝罪する、謝る」という意味です。「~に謝る」という言いかたをよく聞きますから他動詞かと思われるかもしれませんが、これは自動詞です。よって、誰に謝るかということを言うときは前置詞が必要になります。

前置詞が必要になるので注意してほしい自動詞を下にまとめます。

  • agree with ~…「~に賛成する、~に同意する」

  • graduate from ~…「~を卒業する」

  • participate in ~…「~に参加する」

  • complain of(またはabout) ~…「~について不満を言う」

  • apologize to A for B…「AにBのことで謝罪する、謝る」

  • argue with A about B…「BのことでAと口論する」

apologize to A for Bの形になっている選択肢はウだけですから、これが正解ですね。

(5)「英語の辞書であればどの辞書でもじゅうぶんです。」

この文は肯定文ですから、ここでのanyは「どの~でも、どんな~でも」という意味になるので、問題文の前半は「どの辞書でも(  )」という意味になります。選択肢の単語はすべて中学英語で習ったものばかりですが、どれを使っても文の意味がつながりません。

実は、doという単語は自動詞として使うことができ、「間に合う、じゅうぶんだ」という意味をあらわします。これなら文の意味がつながりますから、これが正解とわかります。

ほかにも、簡単な単語なのに実は自動詞としての意味ももっていたという単語があります。ぜひ覚えておきたいものを下にまとめましたので、知らなかったものはぜひ覚えましょう!

  • do…「間に合う、じゅうぶんだ」

  • pay…「割に合う」
    例:Crime doesn't pay.
    (犯罪は割に合わない)

  • sell…「売れる」
    例:T-shirts sell well at the shop.
    (その店ではTシャツがよく売れる

  • last…「続く、長持ちする」
    例:The pain lasted until the next day.
    (痛みは次の日まで続いた)

(6)「私はあの騒音をがまんすることができません。気が狂いそうです。」

問題文の形から考えると、空所の直後に前置詞がありませんので、他動詞を空所に入れないといけないと判断できますが、意味がつながりそうなものがパッと見ではなさそうな感じがします。

実は、standは「~をがまんする」という他動詞の意味があるんです。中学英語でstandは「立つ」という自動詞の意味を習ったはずですが、この問題のポイントは、このことを知っているかどうかがカギになっていたわけです。「~をがまんする」の意味なら、問題文の意味もつながりますね?

簡単な単語なのに実は他動詞としての意味ももっていたという単語として、runには「~を経営する」という意味があるのがあります。これもあわせて覚えておきましょう。