この問題でおさえておきたいこと
広大な国土の詳細と豊富な資源によって発展している様子をおさえよう!
解答
問1.
1 …2
2 …冷
3 …寒
4 …公用
5 …ケベック
( 2 と 3 の解答は逆になってもOK)
問2.
②
問3.
6 …① 7 …④
問4.
③
問5.
④
問6.
カナダ…② メキシコ…⑤
問7.
③
問8.
③
解説
問1.国土面積について、第1位はロシア、第2位はカナダ、第3位はアメリカ合衆国となっています。また、気候区分については、北極海沿岸のツンドラ気候(ET)が寒帯、国土の大部分である冷帯湿潤気候(Df)が冷帯に区分されます。その他の空欄については、「ポイントのまとめ」を参照してください。
問2.中学の社会で習ったとおり、経度15度につき1時間の時差があります。問題文より、モントリオールとヴァンクーヴァーは約50度の経度差があるんですから、時差は50÷15 = 3.333… ≒ 3.3時間の時差があることになります。この時差に最も近いのは②です。
問3.カナダの国土の多くが冷帯であり、そこには植生としてタイガが、土壌としてポドゾルが分布しています。ポドゾルはやせた土壌で農業にはあまり適していないため、カナダは農業よりも資源をいかした他の産業のほうがさかんだというわけです。
問4.「ポイントのまとめ」を参照してください。
問5.「ポイントのまとめ」にもあるとおり、自由貿易圏の名称はNAFTAです。ちなみに、AFTAはASEAN自由貿易地域なので東南アジア、MERCOSURは南米南部共同市場なのでラテンアメリカに関係するものです。OASは南北アメリカ諸国が結成した地域同盟で米州機構という名称のものです。
問6.輸出総額の上位である①,②,⑤がアメリカ合衆国,カナダ,メキシコのことだと考えることができます。特に一番輸出総額が多い①がアメリカ合衆国だと判断できますね。
よって、②と⑤のどちらかがカナダで、どちらかがメキシコということになります。輸出品目を見ると、②のほうには天然ガスや紙類が、⑤のほうには衣類があります。これより、②が資源が豊富なカナダの輸出品目、⑤が発展途上国で賃金が安いメキシコの輸出品目とわかります。
問7.「ポイントのまとめ」を参照してください。
問8.「ポイントのまとめ」でもふれていますが、カナダの旧宗主国はイギリスでした。この旧宗主国との関係を手がかりにすれば解くことができるでしょう。
ポイントのまとめ
・カナダの地形
1)大地形
新期造山帯…
西部の太平洋岸が環太平洋造山帯に属する
その上をロッキー山脈が走る
古期造山帯…
東部のアパラチア山脈近辺が属する
→石炭が採掘される
安定陸塊…
中央部(ハドソン湾周辺)のカナダ楯状地が該当する
ラブラドル高原では良質な鉄鉱石が産出される
2)小地形
アメリカ合衆国との国境に五大湖という氷河湖(氷河が削った土壌に水がたまってできた湖)がある
アラスカから太平洋岸にかけてフィヨルドが発達
カナダとアメリカ合衆国の国境であるセントローレンス川の河口にはエスチュアリー(三角江)が形成
・カナダの気候
北極海沿岸はツンドラ気候(ET)
国土の大部分は冷帯湿潤気候(Df)
アラスカから太平洋岸の一部の地域は西岸海洋性気候(Cfb)(←暖流と偏西風の影響)
・カナダの社会
イギリスとフランスが植民地にしようと戦争した(植民地戦争)
→最後はイギリス領となり、1867年に独立
多くの民族が居住しているので、それぞれの異なる民族を対等に扱う多文化主義を掲げる
例:
①当初フランスが植民地にしていたケベック州では、英語ではなくフランス語を公用語としている
②イヌイットにも自治を与えてヌナブト準州という自治地方が発足
首都のオタワは、ケベック州最大都市モントリオールとイギリス系で最大の都市トロントの中間にできた政治都市である
・カナダの産業
1)農業・漁業など
プレーリーに位置するアルバータ州・マニトバ州・サスカチュワン州で春小麦を栽培
ブリティッシュコロンビア州を中心に林業もさかんで、製材の輸出は世界第2位である
バンクーバーでは、さけ・ますなどの水産業がさかんである
2)工業
五大湖周辺がカナダ最大の工業地域であり、アメリカ合衆国からの企業進出も多い
→オンタリオ州のトロントでは自動車工業がさかん
アルバータ州では、原油やオイルサンドが多く産出されるため、その州のエドモントンでは石油化学産業がさかん
ケベック州のモントリオールでは繊維産業がさかん
原油・自動車・機械類が輸出の上位品目で、アメリカ合衆国向けの輸出が多い
アメリカ合衆国・メキシコとともにNAFTA(北米自由貿易協定)を結んでいて、関税撤廃などが進み、域内貿易が活発化した
(2020年にNAFTAは失効し、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)に置き換え)