この問題でおさえておきたいこと
石炭、石油、天然ガスの産出量、輸出量、輸入量が多い国々はどこかを確認しよう!
解答
問1 ④ 問2 ③ 問3 ⑤
解説
問1 アの記号はいろいろな地域にみられ、特にアメリカ合衆国のアパラチア山脈、オーストラリアのグレートディヴァイディング山脈などの古期増産帯に確認できます。一方、イの記号は、かなり多くが西アジアに集中しています。「ポイントのまとめ」より、イが油田をあらわしていることになります。
文については、Bの「埋蔵量の約半分が特定の地域に偏っている」ということから、Bの文が石油の説明と判断できます。「特定の地域」とは、「ポイントのまとめ」にもあるとおり、西アジアのことです。
よって、Aの文が石炭の説明ということになります。「世界最大の生産国と消費国」とは中国のことです。自分の国の生産だけでは不足するために輸入も多くしているので、中国は輸入量も世界最大となっているわけです。
問2 アの地図は輸出量を示しています。西アジアの国々のほか、ロシアやカナダにも円があることから判断することができます。
そして、イの地図は生産量を示しています。西アジアの国々やロシアのほか、アメリカ合衆国にも円があることから判断できます(輸出量の地図ではアメリカ合衆国に円がないのは、国内消費量が大きいため、輸出余力がないからです)。
よって、ウの地図が輸入量を示していることとなります。西アジアに円がなく、ほとんど原油を産出しないはずの日本や韓国、ドイツなどに円があります。
問3 アの表は輸入量を示しています。資源があまりないドイツや日本など先進国が上位にあることから判断できます。
イの表は産出量を示しています。ロシアやアメリカ合衆国が上位にあるからです。統計年次が2006年ということは、アメリカ合衆国でシェールガス産出がさほどさかんではないころの統計です。つまり、まだアメリカ合衆国で天然ガスの輸出がさほどされていないはずですから、輸出量の統計ではないと考えられます。
なので、ウの表が輸出量を示しています。統計年次が2006年のため、現在の統計と少し違う点があるのが難しいところですが、パイプラインで結びついた近接する先進国への輸入ができる生産国が上位にきていることから判断します。
ポイントのまとめ
・石油について
1)特徴・産出量
1次エネルギーの中で最も消費量が多い資源であり、新期造山帯の背斜部に集積している(世界の埋蔵量のおよそ半分が西アジアに集中している)。
→アメリカ合衆国やロシアとならび、サウジアラビアも世界有数の石油の産出国
2)輸出量・輸入量
原油の輸出量が多い国はサウジアラビアやイラクなど西アジアの国のほか、ロシアやカナダも多い。
とくに、カナダはアルバータ州のオイルサンドを抱えており、オリノコタールを抱えるベネズエラと同様、石油の埋蔵量が豊富だといわれている。
輸入量については、中国やインドなど人口が多い国や、アメリカ合衆国や日本などの先進国が多い。
・石炭について
1)特徴
埋蔵量が最も多い化石燃料であり、古期造山帯に多く分布している。
→ユーラシア大陸やアメリカ大陸に多く分布し、露天掘り(坑道を掘らないで地表から直接削り取るという方法)で発掘されている。
2)産出量・輸出量・輸入量
産出量については、中国が全世界の石炭の半分以上を産出し、インド、インドネシアがそれにつづいている。
輸出量については、インドネシア、オーストラリア、ロシアが上位となっている。
輸入量については、中国、インド、日本が上位となっている。
※日本の石炭のおもな輸入先はオーストラリア・インドネシアが非常に多くなっています。
・天然ガスについて
1)特徴
石炭や石油にくらべて、燃焼したときに排出される汚染物質が少ないクリーンエネルギーとして注目されている。
(地下のシェール層から採取された天然ガスであるシェールガスが環境汚染が少ないと言われている)
冷却し液体の状態にしたLNG(液化天然ガス)にすることで大量輸送したり、パイプラインを通して輸送がされたりする。
2)産出量・輸出量・輸入量
産出量については、アメリカ合衆国とロシアが2大トップである。
輸出量についてもアメリカ合衆国やロシア、カタールが上位に入る。
輸入量については、ドイツ、日本など先進国が多い。