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この問題でおさえておきたいこと

土砂が運搬されることでどのような地形ができるのかを具体的な場所とともにおさえよう!

解答
問1
   a   …浜堤      b   …砂丘
   c   …海岸砂丘      d   …内陸砂丘
   e   …沿岸州      f   …ラグーン(潟湖でもOK)
   g   …砂州
問2
( ア )…湘南海岸
( イ )…九十九里浜
( ウ )…鳥取砂丘
( エ )…浜岡砂丘
( オ )…サロマ湖
( カ )…河北潟
( キ )…天橋立
( ク )…弓ヶ浜(夜見ヶ浜)
(( ア )が九十九里浜、( イ )が湘南海岸という解答でもOK
( ウ )が浜岡砂丘、( エ )が鳥取砂丘という解答でもOK)
問3(例)
港湾や工業用地などを造成するためにコンクリートを使って海岸の埋め立てをするため。(40字)

解説

問1

「ポイントのまとめ」にて説明されているものについては、その説明を参照すればじゅうぶんだと思われますので、ここでは「ポイントのまとめ」に取り上げられていないものにしぼって説明をします。

   a   

高さ数メートル、幅数メートル~100メートルほどの大きさで海岸と平行に砂が堤防のように堆積してできた地形を浜堤といいます。海岸平野によくみられ、暴風が吹いても波が到達しない陸地側に形成されます。

   b      d   

風によって砂が運ばれ、それが丘のように積もってできた地形が砂丘です。強い卓越風(一定方向に吹く風)が吹く場所にできやすく、海岸にできる砂丘を海岸砂丘、内陸の砂漠に発達する砂丘を内陸砂丘といいます。

砂丘の砂が風に吹かれて周囲の農地に飛び散るなどの被害が出ることがあるので、砂丘からの砂を防ぐために防風林を設置する、植林して砂丘を緑地化するなどの対策がなされています。

問2

潮岬は海岸段丘、三陸海岸はリアス式海岸、三保松原は砂嘴で知られる地形です。また、浜堤は湘南海岸や九十九里浜でみられる地形です。

なお、浜岡砂丘は静岡県の御前崎付近にある砂丘です。弓ヶ浜(夜見ヶ浜)は鳥取県北西端にあり、中ノ海を外海から分ける砂州で、先端に境港があります。

問3

自然海岸が減少しているということは、自然海岸の形ではない海岸が増加しているということになります。自然海岸でない海岸とはコンクリートなどでおおわれた海岸ということになります。なぜ海岸にコンクリートが使われるのかを考えると、海岸の埋め立てや護岸工事などが思い浮かぶことでしょう。

よって、解答としてはコンクリートが使われた海岸の増加と、そのコンクリートが使われた海岸をつくる理由にあたる部分を盛り込めばじゅうぶんと思われます。

解答のチェックポイント

ポイントのまとめ

・砂浜海岸の地形

沿岸流が運んだ砂が堆積することで次のような地形が見られる。

名称

説明

代表例

砂嘴

砂が堆積して鳥のくちばし状に細長く海へ突き出した地形

野付半島(北海道)
戸田(静岡県)

砂州

砂嘴が発達して湾をふさぐぐらいに発達した地形

天橋立(京都府)
弓ヶ浜(鳥取県)

陸繫島

砂州によって陸地とつながった島

江ノ島(神奈川県)
函館山(北海道)

トンボロ
(陸繫砂州)

陸繫島と陸地をつないでいる砂州のこと

函館山と函館の間
潮岬と串本の間(和歌山県)

潟湖
(ラグーン)

砂州などによって外海から隔てられてできた湖

サロマ湖(北海道)
河北潟(石川県)
八郎潟(秋田県)

沿岸州

沿岸流(海岸近くの海水の流れ)によって運搬された砂礫が、海岸と平行に細長く堆積してできた地形

アメリカ東海岸

※砂州は陸地と完全につながっているので内側と外側は完全に切り離されている一方、沿岸州は完全につながっているわけではないので、海水は内側と外側を行き来できます。

・サンゴ礁の分布と形態

サンゴ礁は水温が25℃~30℃の温暖できれいな海岸に多く分布する。
そのため、ペルー海流ベンゲラ海流など寒流が流れる地域には分布しにくい。
日本でも北緯30度以南のトカラ列島や奄美、沖縄、小笠原の島々にしか分布しない。

また、サンゴ礁の形態は次のように変化する。

形態

説明

どこで見られるか

裾礁きょしょう

サンゴ礁が海岸に接して(くっついて)発達した状態

小笠原
沖縄

堡礁ほしょう

島が沈んだり海面が上昇したりすることで、サンゴ礁が防波堤のように島を囲んだ形になった状態

オーストラリア大陸北東部にあるグレートバリアリーフ

環礁かんしょう

島が沈んだり海面が上昇したりすることで、サンゴ礁だけが環状に残った状態

モルディブ
ミクロネシア