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この問題でおさえておきたいこと

EUとASEANの原加盟国と現在の加盟国はすべて覚えよう!
EUは政策と加盟年も要チェック!

解答
(1)
ベトナム,ラオス,カンボジア,ミャンマーのうちから二つ
(2)
フランス,ドイツ,イタリア,オランダ,ベルギー,ルクセンブルクのうちから二つ
(3)
アメリカ合衆国
(4)
ASEAN
(5)(例)
域内関税を撤廃して域内貿易を促進し、資本や労働力の移動を自由化し、さらに共通通貨であるユーロを導入した。また、主要農作物への統一価格設定などの域内共通農業政策も実施している。

解説

(1)ASEANは1967年に結成されましたので、「ポイントのまとめ」に示されている原加盟国は除外されます。また、ブルネイは1984年にASEANに加盟しましたので、これも除外されます。これら以外の国から二つ選んで答えることとなります。

(2)「ポイントのまとめ」にもあるとおり、ベネルクス3国関税同盟の国々とフランス、西ドイツ(現在はドイツ)、イタリアがEC発足当時からの加盟国です。

(3)ASEANの総人口は6億6100万人,EUの総人口は4億4500万人,アメリカ合衆国の総人口は3億2900万人です(2017年)。人口の多い国はアジア地域に多いため、ASEANの総人口はかなり多くなっています。

(4)アメリカ合衆国のGDPは21兆4332億ドル,EUのGDPは15兆6303億ドル,ASEANのGDPは3兆1554億ドルです(2017年)。経済的に成長してはいますが発展途上国である国々でASEANは構成されているので、EUやアメリカ合衆国よりもGDPではまだ下回っています。

(5)「関税」「通貨」という語句が与えられているんで、それを使いながらEUの経済統合がどう進んだのかを段階を追って述べるとよいでしょう。「ポイントのまとめ」にも書かれている、関税の撤廃、人やモノ・お金の移動の自由化、統一通貨の設定という順に進められたと説明することができます。

また、「農業政策」という語句もありますので、EUの域内でとられている共通農業政策についてもふれる必要があります。どのような農業政策がとられていたかの中身を、字数が許す限り述べるとよいでしょう。

ちなみに、共通農業政策について、アメリカ合衆国などからの批判を受けて、輸入に課徴金を課していたものは徐々に関税化されています。また、財政を圧迫するようになっているので、統一価格についても引き下げをするようになっています。

解答のチェックポイント

ポイントのまとめ

・EUについて

1)EUの歴史

オランダ、ベルギー、ルクセンブルクの3か国がベネルクス3国関税同盟を結成し、3か国どうしでの関税を撤廃

ベネルクス3国関税同盟の国々にフランス、西ドイツ、イタリアが加わり、3つの共同体を設立

1967年 3つの共同体を1つにまとめて、EUの基礎となるEC(ヨーロッパ共同体)が設立

いろいろな国が加盟しECが拡大
1973年 アイルランド、イギリス、アイルランド
1981年 ギリシア
1986年 スペイン、ポルトガル
1990年 ドイツの東西統一により東ドイツを吸収

1993年 マーストリヒト条約によりECはEU(ヨーロッパ連合)にとってかわる

EUがさらに拡大
1995年 スウェーデン、フィンランド、オーストリア
2004年 マルタ、キプロス、東ヨーロッパ諸国、バルト三国
2007年 ルーマニア、ブルガリア
2013年 クロアチア

2020年にイギリスがEUを脱退し、現在ではEU加盟国は27か国

2)EUの政策

・ASEANについて

1)ASEANの目的

1967年に結成、当初は社会主義に対しての軍事同盟
現在では経済・社会の協力機構として機能

2)ASEANの加盟国

1967年にタイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、フィリピンの5か国で結成(=この5か国が原加盟国)

その後、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアが加盟
そのため、現在では東ティモール以外のすべての国が加盟している