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この問題でおさえておきたいこと

宗教や言語の分布をおさえる!
特にヨーロッパは複雑なので要注意!

解答
問1 ②   問2 ①
問3 ④   問4 ③

解説

問1 Sの地域はフランスのブルターニュ地方やアイルランドなどが含まれているとおり、ケルト語派の地域です。古代ではケルト語派の言語がヨーロッパではおもに使用されていましたが、ローマ人やゲルマン人の侵攻をうけて、徐々に辺境に追いやられていきました。よって、Sの地域を示している文はサといえます。

Uの地域はスペインのバスク地方を含んでいますが、この地域ではバスク語という独自の言語を使用するバスク人が居住しています。独自の文化を持つ民族であり、スペインからの分離独立運動もされています。言語系統も不明とされており、Uの地域を示している文はシといえます。

以上より、Tの地域を示している文はスです。Tの地域はハンガリーが含まれているのでマジャール語などを含むウラル語族の地域です。周囲はインド=ヨーロッパ語族のスラブ語派の国が多く、異なる語族となっています。

問2 アはアジア地域におもに信仰されていることと、信者数が非常に多いことから、イスラーム(イスラム教)とわかります。「ポイントのまとめ」のとおり、北アフリカから西アジア、中央アジアなどアジア地域で広く信仰されており、インドネシア,パキスタン,バングラデシュだけでも信者数は5億人をこえます。

イは中央・南アメリカ、つまりラテンアメリカで信者数が多いことから、「ポイントのまとめ」よりカトリックと判断できます。ラテンアメリカはかつてスペインやポルトガルの植民地だった影響からカトリックがおもに信仰されています。残ったウがプロテスタントですね。

問3 「ポイントのまとめ」にあるとおり、カトリックはドイツをふくまない南ヨーロッパ・西ヨーロッパでおもに信仰されています。ということは、スペインではカトリックが信仰されていますから、Aを示しているのはカトリックの色しかないキということになります。

また、「ポイントのまとめ」にあるとおり、ドイツではプロテスタントが信仰されています。ところが、イタリアは南ヨーロッパでカトリックが信仰されているわけなので、ドイツとイタリアを含むBを示すのは、プロテスタントとカトリックの両方の色があるクといえます。

東ヨーロッパにあるCを示すのはカということになりますが、カには正教会の色が含まれているので、やはり適切といえます。また、Cに含まれるアルバニアにはイスラム教徒が居住しています。カにイスラム教を示す色が含まれているのはこのためです。

問4 「ポイントのまとめ」にあるとおり、スリランカでは上座部仏教がおもに信仰されています。つまり、仏教を信仰している割合が非常に大きいということになるので、仏教の割合が非常に高くなっている⑤が正解ということになります。

ポイントのまとめ

・人種や民族

人類を肌の色や髪質などの身体的特徴で分類したものを人種という。
おおまかな分類だとコーカソイド(白色人種)、ネグロイド(黒色人種)、モンゴロイド(黄色人種)の3種類となる。

それに対して、人類を使用言語や宗教、慣習など文化的な共通点で分類したものを民族という。
とくに、使用言語や宗教によって民族を分類することが多い。

・世界の言語の分類

言語は、文法など共通の特徴や似ている特徴によって分類することができる。共通の特徴や似ている特徴をもった言語どうしを語族という。

1)インド=ヨーロッパ語族

世界最大の言語集団といわれている。

2)アフリカ=アジア語族

3)ウラル語族

フィンランド語、ハンガリーのマジャール語など

4)アルタイ語族

トルコ語、モンゴル語など

5)中国=チベット語族

中国語、チベット語、タイ語など

このほかにも非常に多くの語族がある。

・世界の宗教の分類

1)キリスト教

2)イスラム教

3)仏教