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この問題でおさえておきたいこと

農業は気候区分、工業は西部・中部・東部に分けておさえる!
ソ連時代の社会体制・経済体制も重要!

解答
(1)④   (2)③   
(3)③   (4)④
(5)④   (6)①   
(7)②   (8)④

解説

(1)極東ロシアは環太平洋造山帯に属しています。環太平洋造山帯は新期造山帯であり、火山や地震が多い地域となっています。よって、この文に誤りはありません。

(2)「ポイントのまとめ」にもあるとおり、チェルノーゼムが分布している地域ではトウモロコシではなく小麦が生産されています。

(3)ロシアでは農業の市場経済化が遅れたため、生産不振がつづきました。よって、1970年代に生産が「飛躍的に増大」したということはありませんでした。

(4)この文にも誤りはありません。農地の別荘であるダーチャの生産がソ連崩壊後の市民の生活を支えました。今も野菜などはダーチャの生産が占める割合が大きいです。

(5)「ポイントのまとめ」にもあるとおり、もともとソ連は15か国で構成されていましたが、バルト3国の独立によりソ連が崩壊した後は、残った12か国でゆるやかな結びつきの独立国家共同体(CIS)が結成されました。

その後、トルクメニスタンは永世中立宣言をして準加盟国になり、ジョージアは2008年の南オセチア地区独立問題のときにロシアと軍事的衝突をしたので脱退しました。ちなみに、常任理事国はアメリカ・ロシア・イギリス・フランス・中国です。以上より、この文に誤りはありません。

(6)コンビナート方式の工業ではふつう重工業が発展します。

(7)ヤールー川(鴨緑江)は中国と北朝鮮の国境の川ではありますが、ロシアには関係ありません。正しくはトゥマン川(豆満江)です。

(8)ロシア東部にはサハ人,エベンキ人,コリヤーク人,チュコト人の少数民族が居住していて、トナカイの遊牧やアザラシの漁などをしています。この文にも誤りはありません。

ポイントのまとめ

1.自然・地形

ウラル山脈より西側がヨーロッパロシア、東側がシベリアに分けられる広大な範囲の国

カフカス山脈がアルプス=ヒマラヤ造山帯
レナ川より東側にあるカムチャツカ半島から千島列島、日本列島につながる地域は環太平洋造山帯で火山や地震が多い
テンシャン山脈やアルタイ山脈は古期造山帯

安定陸塊も広大でそれより西側に東ヨーロッパ平原、東側に西シベリア低地や中央シベリア高原が広がる

2.気候

北極海沿岸はEFツンドラが広がる

EF気候のところより南側はD気候でタイガが広がる
レナ川・バイカル湖より東側はDw(シベリア高気圧により冬は少雨)、それ以外の多くはDf(年間通して雨量が多い)である

ロシアでは永久凍土が広がっている地域があり、その地域では永久凍土の融解による被害を防ぐために建物は高床式になっている

3.河川

カスピ海へと流れるヴォルガ川、黒海へと流れるドニエプル川、北極海へと流れるオビ川エニセイ川レナ川などが主な河川

4.社会体制

1917年に起きたロシア革命により、1922年に世界初の社会主義国であるソビエト連邦(15の共和国からなる連邦国家)が成立

計画経済にもとづいて工業化を進める
→私有化廃止により生産意欲が低下、独裁体制による支配階級と民衆との不平等な格差が発生

1985年以後 ペレストロイカ(改革)グラスノスチ(情報公開)などが進展、しかし経済改革は不十分

1991年 バルト3国(エストニア・ラトビア・リトアニア)がソビエト連邦から離脱
→ソビエト連邦解体、残り12か国は独立国家共同体(CIS)を結成し、軍事・経済面でゆるやかに結びつき

5.農業

ソ連時代はコルホーズ(集団農場)やソフホーズ(国営農場)で政府の計画にしたがって農業を実施、農産物は政府が管理する価格で買い上げられた

ソ連解体後は、企業や個人による生産が中心に
例:ダーチャ(大都市郊外にある簡素な別荘)に付属している菜園で野菜や果物を栽培

ロシアの農業は気候区分ごとに生産されるものに特徴がある

6.工業

ソ連時代は、遠く離れた資源を鉄道や水運などで結びつけることで形成されたコンビナート方式の工業地域や、産出される資源をもとに関連する工業を組み合わせたコンプレックスとよばれる工業地域がつくられた

ソ連解体後は、民間企業を中心とする市場経済体制に移行
各所にさまざまな工業地域が存在する