問題ページにもどる

この問題でおさえておきたいこと

世界の主な漁場を、漁場になるための条件と照らし合わせておさえよう!
漁業生産量や輸入量などの統計も要確認!

解答
問1
( 1 )…潮目(潮境)
( 2 )…大西洋北東部(北西ヨーロッパ)
( 3 )…グレートフィッシャー
( 4 )…湧昇流
( 5 )…アンチョビー(かたくちいわし)
( 6 )…ニューファンドランド
( 7 )…排他的経済水域
( 8 )…栽培漁業
問2
( イ )…ペルー
( ロ )…インドネシア

解説

問1

「ポイントのまとめ」の説明を参考にすると、ほとんどの空所がうまるかと思いますので、ここでは「ポイントのまとめ」の内容をほり下げた解説や、「ポイントのまとめ」に書かれていない解説を書いていきます。

( 2 ) グレートブリテン島沖など北海を中心としたヨーロッパ沖合の漁場です。

( 4 ) 海中の栄養分が太陽光の届く浅い水域まで運ばれると、植物プランクトンにとって必要な栄養分と太陽光がそろうことになり、植物プランクトンが増えやすくなります。そうすると、動物プランクトンが増え、結果として魚も増えるので、好漁場となるわけです。

( 6 ) ニューファンドランド島はカナダ南東端に位置する島です。

( 7 ) 沿岸国が水産資源や海底鉱産資源を管轄できる水域のことで、これが設定されたことにより、日本の遠洋漁業の漁獲量が減少することとなりました。

( 8 ) 栽培漁業とは、人工的に孵化した稚魚を放流して成長したらそれを捕獲するという漁業です。

問2

( イ ) ペルーは水産物の輸出額が生産量のわりに少ないのが特徴です。また、漁獲量の大部分を占めるアンチョビーの豊漁不漁によって漁獲高が大きく変動することも特徴で、1960年代は漁獲量1位でしたが、1970年代~1980年代はエルニーニョ現象によって、アンチョビーは不漁となりました。

( ロ ) 「ポイントのまとめ」にあるとおり、マングローブの伐採が問題となっています。また、2003年まで日本にとって最大のえびの輸入相手国でした。

ポイントのまとめ

・世界の主な漁場

そもそもどういう場所が好漁場になりやすいのか
→海底から上昇する海水の流れ(湧昇流)によって海中の栄養分が太陽光の届く浅い水域まで運ばれるのが条件で、次のような場所が例となる

これをもとにそれぞれの各地の漁場はどこかを見ていくと…

1.北西太平洋海域

千島海流(親潮)日本海流(黒潮)リマン海流対馬海流が出会う潮目や大陸棚が発達しているところが主な漁場
世界一の漁獲量を誇り、日本・中国・韓国・ロシアが漁場としている

2.南東太平洋海域

寒流のペルー海流と貿易風を背景とした湧昇流のあるところが主な漁場
1960年代までペルーが世界一の漁獲量を誇っていた
アンチョビーの漁がさかんで、飼料用のフィッシュミール(魚粉)に加工される

3.北西太平洋海域

アラスカからカナダ太平洋岸が主な漁場
サケ・マス漁がさかん

4.北西大西洋海域

暖流のメキシコ湾流と寒流のラブラドル海流が出会うニューファンドランド島沖が主な漁場
大陸棚にバンクが多くあり、グランドバンクなどがある
タラ・ニシン漁がさかん

5.北東大西洋海域

暖流の北大西洋海流と寒流の東グリーンランド海流が出会うグレートブリテン島沖が主な漁場
大陸棚にバンクが多くあり、ドッカーバンクグレートフィッシャーバンクなどがある

タラニシン漁がさかんで、ノルウェー・アイスランド・ロシア・デンマークの漁獲がさかん
乱獲によりタラ・ニシンが激減したが、1970年代から資源管理を徹底し、資源量は回復した

・世界の水産業の統計

漁業生産量(2012年)

1位…中国
2位…インドネシア
3位…アメリカ

ポイント…
中国では、湖沼や河川などの内水面漁業がさかんだが、近年は海面漁業もさかんである

養殖業生産量(2012年)

1位…中国
2位…インドネシア
3位…インド

ポイント…
インドネシアでは、えびの養殖がさかんだが、そのためのマングローブの伐採が問題となっている

水産物輸出額(2011年)

1位…中国
2位…ノルウェー
3位…タイ

ポイント…
ノルウェーでは伝統的に漁業がさかんだが、人口がそれほど多くなく、国内の消費量がそれほど多くないため、輸出額が多くなっている

水産物輸入額(2011年)

1位…日本
2位…アメリカ
3位…中国

ポイント…
日本は漁獲高では1980年代まで上位を占めていたが、近年は減少傾向にあり、輸入にたよるようになっている。