この問題でおさえておきたいこと
プレートの広がる境界、せばまる境界の分布と、その境界での地形をおさえよう!
安定陸塊・古期造山帯・新期造山帯の分布と資源も重要事項!
解答
問1 ③ 問2 ②
問3 ② 問4 ⑤
解説
問1 ①:「ポイントのまとめ」の地図にあるとおり、A海域は広がるプレート境界にあります。また、紅海はアフリカ大地溝帯の一部になっています。よって、この文は正しいです。
②:「ポイントのまとめ」の地図にあるとおり、B地域はせばまるプレート境界にあります。このプレートどうしのぶつかり合いでヒマラヤ山脈がつくられています。この文は正しいです。
③:「ポイントのまとめ」の地図にあるとおり、C海域はせばまるプレート境界にあり、この海域はマリアナ海溝なので、海嶺でもありません。よって、この文が誤りです。
④:「ポイントのまとめ」の地図にあるとおり、D地域はずれるプレート境界にあり、これがサンアンドレアス断層です。この文も正しいです。
問2 ①:海域アはハワイの位置あたりなので、ホットスポットです。ホットスポット上に生まれた火山が太平洋プレートの移動とともに海底に沈んで海山列を形成しています。
②:海溝はせばまる境界にみられる地形ですが、「ポイントのまとめ」の地図にあるとおり、海域イはせばまるプレート境界にありません。よって、プレートの沈み込みもありませんので、この文が誤りです。
③:海域ウは南アメリカプレートの内部となり、広い大陸棚が見られます。
④:「ポイントのまとめ」の地図にあるとおり、海域エは広がるプレート境界にあるので海嶺がつくられます。海域エのあたりの海嶺はインド洋中央海嶺といいます。
問3 「ポイントのまとめ」にある古期造山帯として挙げた山脈が地図上のどこに位置するかを確認すると、Bに重なります。
ちなみに、Aは安定陸塊、Cは新期造山帯、Dは海嶺です。
問4 ウは地図中のA、つまり安定陸塊にしか分布していませんから、「ポイントのまとめ」を参考にすると、ウは鉄鉱石と考えられます。
また、イについてはオーストラリア大陸を見るとB、つまり古期造山帯に分布していて、アフリカ大陸でも古期造山帯の近くに分布しています。「ポイントのまとめ」を根拠にすると、イは石炭と考えられます。
すると、残ったアは銅鉱だということになります。実際、南米大陸のチリでは銅の産出がさかんですが、アの印はチリにも分布しています。チリは新期造山帯に位置しているわけですが、新期造山帯では石油のほかにも金・銀・銅も多く産出されます。
ポイントのまとめ
・プレートとは何か
ドイツの地理学者ウェゲナーは大陸移動説を唱えた
大陸移動説とは、もともと(約2億年前)パンゲアとよばれる1つの大陸がローラシア大陸とゴンドワナ大陸に分かれ、さらにまた分かれて今の形になったという説
今日、この説はプレートテクトニクスで理論的に証明されている
プレートテクトニクスとは、地球の表面は十数枚のプレートによって構成されていて、下部にあるマントル対流で移動しているというもの
・プレートの境界
数十枚あるのでプレートどうしには境界があり、プレートの移動のしかたによって、境界がどうなるかが異なる
1.広がる境界(=プレートが互いに遠ざかる)
海洋上では、マントルが海水で冷え固まり、海嶺ができあがる
例:大西洋の大西洋中央海嶺
(アイスランドはその海嶺上に位置しているので、マグマの影響で温泉や火山を有する)
陸上では境界部分に地溝ができあがる
例:アフリカ大陸のアフリカ大地溝帯
2.せばまる境界(=プレートどうしがぶつかりあう)
陸上でプレートどうしがぶつかりあう場合は、境界部分に造山運動が起こり、褶曲山脈ができあがる
例:アルプス山脈、ヒマラヤ山脈
大陸プレートと海洋プレートがぶつかりあう場合は、海洋プレートが沈みこみ、プレートの境界部分で海溝ができあがる
例:マリアナ海溝(世界で最も水深が深い場所でフィリピン海プレートに沿う)
沈みこんだプレートは溶けてマグマとなり、大陸プレート上に噴出し、弧状列島ができあがる
例:日本列島
3.ずれる境界(=プレートが境界に沿ってすれちがう)
境界では強い地震が発生する
例:カリフォルニア州のサンアンドレアス断層
広がる境界・せばまる境界・ずれる境界は下の図のように分布している。
青線が広がる境界、赤線がせばまる境界、灰色の線がずれる境界である。
※境界のほかに、プレートの中では局所的にプレートを突き抜けてマグマが噴出して火山がつくられるホットスポットがあり、ハワイ諸島などが有名です。
・世界の大地形
地球上の陸地は、地球誕生以来、プレートの動きなどによる大規模な変動を受けてきていて、大規模な変動をいつから受けなくなったかで3つに区分される。
1.安定陸塊
先カンブリア時代を最後に大規模な変動を受けていない陸地
=長い年月、変動を受けていないため、侵食を受け、平坦な土地になっている
資源としては鉄鉱石が主に分布
2.古期造山帯
古生代を最後に大規模な変動を受けていない陸地
=安定陸塊ほどではないが、長い年月、侵食を受け、比較的緩やかな山地が広がる
資源としては石炭が主に分布
古期造山帯としては、スカンディナビア山脈、ペニン山脈、アパラチア山脈、グレートディヴァイディング山脈、テンシャン山脈などが該当する
※テンシャン山脈はその後の断層活動で隆起したので、古期造山帯のほかの山脈より起伏が大きいです。
3.新期造山帯
中生代から新生代以降に変動を受けた陸地
=変動を受けてからの年月が短く、起伏の大きい山地が広がる
資源としては石油が主に分布
新期造山帯としては、環太平洋造山帯、アルプス=ヒマラヤ造山帯が該当する
また、地震や火山活動が多い(安定陸塊や古期造山帯では地震や火山活動は少ない)。