この問題でおさえておきたいこと
似たものがある地図記号、写真問題で活用できる地図記号、地形を判断するうえで重要な地図記号を特に重点的に確認しよう!
解答
問1(例)
西山の緩やかな傾斜地にある荒地を造成してできた。
問2
その他の樹木畑
問3
電波塔
問4(例)
傾斜地や火山灰地が多いため。
問5(例)
伊豆七島のなかでも人口が多いほうに分類されるが、本土から遠いため、このようなサービス機関に対するニーズが大きいから。
問6
(1)…○ (2)…× (3)…×
(4)…× (5)…× (6)…○
解説
問1
地形図を見ると、八丈島空港の周辺には荒地をあらわす地図記号が多くあります。このことから、八丈島空港は荒地を切り開いてつくられたことがわかります。
さらに、八丈島空港の両端は盛り土をしている記号がついています。空港は飛行機の離着陸をするところですから、平坦であることが必要になりますが、盛り土をして平坦にしているということは、もともとは平坦ではなくある程度の傾斜があったということになります。
地形図を見ると等高線は密になっておらず、集落からもそこまで離れていないことから、西山のなかでもかなり緩やかな傾斜地であったところが選ばれたといえるでしょう。
解答のチェックポイント
- 荒地を切り開いてつくられたことにふれているか
- 西山の緩やかな傾斜地につくられたことにふれているか
問2
教科書や参考書などで取り上げられている地図記号はどれも重要なものばかりです。関連する地図記号はまとめて確認しましょう。たとえば、針葉樹林・広葉樹林・その他の樹木畑の地図記号をまとめて覚えれば、この問題は簡単に対応できます。
問3
アンテナのポールと電波を意味する記号です。
問4
「ポイントのまとめ」にてふれていますが、田は平坦で水が得やすいところにつくられますが、この地形図で示された場所はほとんどが傾斜地になっています。
また、西山は「八丈富士」という別名があるとおり、火山です。よって、この島は火山灰地からなっているので、水はけがよくありません。傾斜があるということと火山灰地からなっていることが、田をつくりにくくさせている要因になっているわけです。
解答のチェックポイント
- 土地が平坦ではない(傾斜になっている)ことにふれているか
- 土地が火山灰地であることにふれているか
問5
八丈島は東京都に属していますが、これは伊豆七島のうちの島です。よって、本土からは遠く離れたところにあって船で移動せねばならず、不便なものとなります。ところが、地形図中に高校の地図記号が見られるように、この島に住む人口は比較的多いと推測できます(ふつう離島には高校は見られないので)。
つまり、人口が多いからそれらの施設へのニーズは高いのに、本土から遠くてそこへのアクセスがしにくいという問題があるので、それならば本土へわざわざ行かなくてもすむようにということで島の中につくられたというわけです。この内容を簡潔に書くといいでしょう。
解答のチェックポイント
- 本土から遠い、本土への移動がしにくいということにふれているか
- 人口が島のわりに多いのでニーズが高いことにふれているか
問6
(1) 小・中学校の地図記号は「文」という形だけ、高校はさらにそれを○で囲った形です。小・中学校の地図記号は居住地のあるところに4つ点在していますが、高校の地図記号は「大賀郷」の文字があるあたりに1つだけあるだけです。よって、この文は正しいです。
(2) 港をあらわす地図記号は船のいかりからできたもので3種類あります。重要港の地図記号はいかりに2本の線が入った形ですが、八重根港の地図記号はいかりに1本の線があるだけなので、重要港ではなく地方港です。
(3) 幅員1.5m未満の記号は破線ですが、実際の地形図ではそのような線がひかれていません。
(4) 温泉をあらわす地図記号は湯つぼと湯煙を意味する形ですが、その地図記号は地形図に見られません。
(5) 灯台をあらわす地図記号は工場をあらわす地図記号の中に点が加わったような形になっていますが、その地図記号は地形図に見られません。
(6) 標高600mあたりには、下向きの不等号のような形になった記号が見られますが、これが畑・牧草地をあらわす地図記号です(この記号は畑だけでなく牧草地も含みます)。よって、この文は正しいです。
ポイントのまとめ
・注意すべき地図記号
1.似たものがある地図記号
例1:
小・中学校と高校、市役所と町村役場、警察署と交番など、規模が大きくなると○がつく地図記号がある
また、JRの複線と単線、都府県界と郡市界、町村界など、規模が大きくなると点が増えたり、線が加わったりなどする地図記号もある
例2:
発電所と工場は、形が似ているので注意
2.写真問題で活用できる地図記号
例:
写真に写っている高い建造物などを手がかりに、どこの地点かなどを特定できる
→灯台、電波塔、煙突などの地図記号が手がかりになりやすい
3.地形を判断するうえで重要な地図記号
例:
田→平坦で高さが低い、水は得やすいが水害の危険性が高い
畑→高さが高く水はけがよい、水害の危険性が低い