この問題でおさえておきたいこと
消費行動は時代の流れでどう変わったかをおさえる!
余暇活動は労働時間と余暇時間、旅行の行き先を日本と欧米諸国の比較でおさえる!
解答
問1 ③ 問2 ④
解説
問1 「ポイントのまとめ」にあるとおり、幹線道路沿いには、駐車場を確保できる資本を持っている大型資本の店舗が多くあります。これらの店舗は全国展開するチェーン店であることが多いので、「古くからある地元資本の店舗」とは限らないことが多いです。よって、③が誤りといえます。
問2 「ポイントのまとめ」にあるとおり、日本人旅行者数が多いのは、ハワイやグアムを含めたアメリカ合衆国です。ということは、「韓国への旅行者数はアメリカ合衆国への旅行者数を上回っている」としている④が誤っている文だということになります。
ポイントのまとめ
1.消費行動の変化
従来は、主要な買い物は近隣の商店街で行い、高級品などは都心部の百貨店や専門店で買うというのが典型
→地方都市の中心部や駅前では商店街が発達
↓
時代の変化
1)モータリゼーションの進行(=自動車の普及)
これにより…
- 郊外に大型ショッピングセンターが発達
理由:
1.複合施設なので買い物だけでなくレストランでの食事や映画館での映画などを楽しめる
2.地価が安いので広くて低層構造の駐車場が用意されているので自動車で行きやすい
3.1か所で様々な商品を買い物できる(ワンストップショッピング) - 幹線道路沿いに大型資本の店舗が出店
理由:
資本により駐車場が確保できる→消費者が自動車で行きやすい
2)女性の社会進出やフレックスタイム制導入などのライフスタイルの変化
これにより…
- コンビニエンスストアの発達
理由:
1.年中無休の長時間営業なのでいつでも行くことができる
2.小規模の店舗で出店がしやすい
3.POSシステム(店舗で商品を販売する際に販売情報をその場で記録するシステム)により効率的に在庫・発注管理ができる
3)インターネットの普及による通信販売・宅配便の発達
↓
時代の変化に取り残された百貨店や商店街が衰退
2.余暇活動の変化
1)労働時間の変化
欧米諸国…
労働時間は年間2000時間を割る国が多く、余暇は生活の一部として定着
(例:フランスのバカンス)
日本…
週休2日制が普及しつつあり、労働時間は短くなってきている
ただし、短期休暇型が多く、休暇の時期も集中するため(年末年始など)、余暇活動は欧米諸国と比べて貧弱
2)旅行の行き先
欧米諸国…
夏はコートダジュールやシチリアなど地中海沿岸の地域が避暑地として人気
冬はアルプス方面でウィンタースポーツを楽しむ
日本…
1980年代以後、円高の影響で海外旅行者数が激増
行き先として多いのはアメリカ合衆国、中国・韓国などのアジア諸国
※アメリカ合衆国が行き先として最も多いですが、それはハワイやグアムを含んでいるためで、これらの地域を除外すると、最も多い行き先は中国・韓国のアジア諸国になります。
3)新しい観光
- グリーンツーリズム…
農村や漁村などに滞在して、現地の文化や自然を楽しむ観光 - エコツーリズム…
自然を保護しながら、その自然の重要性を学習するなど、自然を利用して成り立つ観光