この問題でおさえておきたいこと
アフリカの地誌は次のことと関連づけておさえる!
農業…気候
文化…宗教・宗主国との関係
鉱工業…銅や金などの鉱産資源
解答
問1 ② 問2 ⑥
問3 ③ 問4 ⑤
解説
問1 ①:「小麦粉」「オリーブ」といった言葉から、小麦やオリーブの栽培がされている地中海式農業が行われる気候の地域だと考えられますから、Aの地域だといえます。
②:雑穀を主食としていることから、雑穀の栽培がされていて、ラッカセイも使っているということは、ナイジェリア北部を含む乾燥サバナ地域を説明しているといえます。よって、サヘル地域を示したBがまさにあてはまるといえます。
③:マダガスカルではマレー系が主要民族で米の生産がさかんですから、米飯を主食としているという説明と合致します。よって、これはDの地域の説明です。
④:「ヤムイモ」「豊富な森林産物」という言葉がキーワードとなり、焼畑農業を示しているとわかります。焼畑農業が行われているのは、赤道直下地域ですから、これはCの地域を説明しています。
問2 カ:サハラ砂漠周辺のみに分布していないので、乾燥に強いラクダだと判断できます。
キ:北アフリカが空白になっています。イスラム教では豚肉食は禁忌(タブー)となっているわけですから、この家畜はブタだといえます。
ク:総頭数が多く、ほぼすべての国で飼われていること、カがラクダでキがブタだとわかったことより、ウシであるといえます。
この組み合わせが示されているのは⑥です。
問3 ①:魚介類が多く輸出されているのは、日本向けのタコの輸出がされているからであり、ヨーロッパに近くて安い労働力を利用した軽工業(衣類)や組立工業(機械類)が立地しているということもふまえて、これはモロッコの統計です。
②:北アフリカ地域では原油が多く輸出されていますから、それよりアルジェリアの統計と判断できます。
③:ケニアでは植民地時代からイギリス人がホワイトハイランドを形成し、茶のプランテーションがさかんですから、これがケニアをあらわしているとわかります。
④:銅に関係する輸出が多いことから、カッパーベルトの一部であるザンビアの統計であるとわかります。
問4 タ:「人種差別撤廃運動」という言葉がアパルトヘイトと結びつけば、南アフリカ共和国と判断できます。
チ:植民統治を受けずに独立を保ったこと、古いキリスト教のことについてふれられているので、これはエチオピアのことを説明しています。
ツ:タが南アフリカ共和国、チがエチオピアなので、ツはガーナです。「貿易のために立ち寄る」から沿岸国とわかります。そして、「フランスの植民統治を受けた」とある近隣の国々とはコートジボワールやサヘルの国々であり、ガーナ自体はイギリスの植民地だったことも合致しています。
この組み合わせが示されているのは⑤です。
ポイントのまとめ
1.農業
- 北アフリカ、南アフリカ共和国…
地中海性気候→小麦、オリーブなどを栽培する地中海式農業 - サバナ気候…
乾燥サバナ地帯では雑穀の栽培と、羊やヤギ、ラクダの遊牧
湿潤サバナ地帯ではサトウキビ、サイザル麻の栽培、特にケニアやエチオピアでは茶、コーヒーのプランテーションがさかん - 赤道直下地域など…
キャッサバやタロイモ、ヤムイモを焼畑農業で生産
ギニア湾岸のガーナやコートジボワール、ナイジェリアではカカオのプランテーション
2.文化
a.北アフリカと中南アフリカでは人種や宗教、言語に違い
北アフリカ…
アラブ系のコーカソイド(白色人種)が多い
イスラム教を信仰し、アラビア語を話す
※エチオピアではキリスト教(コプト派)が国教となっています。
中南アフリカ…
ネグロイド(黒色人種)が多い
伝統宗教を信仰し、旧宗主国の言語を公用語としている国が多い
※東アフリカ地域ではスワヒリ語が用いられています。
b.アフリカ諸国では、旧宗主国の言語を公用語にしたり、旧宗主国の文化との融合や名残りが見られる
旧宗主国
- イギリス…アフリカ東部、ナイジェリア、ガーナ
- フランス…アフリカ北西部、サヘル地域、マダガスカル
- イタリア…リビア、ソマリア
- ドイツ…ナミビア
- ベルギー…コンゴ民主共和国(旧ザイール)、ルワンダ、ブルンジ
- ポルトガル…アンゴラ、モザンビーク
- 独立国家(第二次世界大戦前時点)…エジプト、エチオピア、南アフリカ共和国、リベリア
3.鉱産資源
- 原油…ギニア湾沿岸、北アフリカ地域
- 金…南アフリカ共和国、ガーナ
- 銅…カッパーベルト(コンゴ民主共和国、ザンビア)
- ダイヤモンド…ボツワナ、南アフリカ共和国、コンゴ民主共和国
4.その他重要事項
- エジプト…
赤道が通過するビクトリア湖やエチオピア高原などの湿潤地域を水源とするナイル川が流れる
アスワンハイダムを建設し、農業用水の安定確保により米や綿花などを栽培→綿花は重要な輸出品
スエズ運河は国の経済を支える柱に - リビア…
2011年にカダフィ独裁政権が倒されることで民主化
原油の産出国であり、OPECにも加盟 - アルジェリア…
原油の産出国であり、OPECにも加盟 - ケニア…
イギリス植民地時代、白人が高原地帯に入植し、農牧地を占有(ホワイトハイランド)→茶やコーヒーなどのプランテーション - マダガスカル…
主要民族はマレー系(10世紀ごろまでに東南アジアから移住があったため)→米を多く生産
南東貿易風の影響により、東部は雨が多い - ナイジェリア…
人口がアフリカ最大
原油の産出国であり、OPECにも加盟
ニジェール川河口には広大なデルタ
北部ではラッカセイを栽培
ビアフラ内戦により大量の餓死者 - リベリア…
便宜置籍船が多いので、有数の商船保有国に - ガーナ…
ボルタ川のアソコンボダムの電力でアルミニウムを生産 - コンゴ民主共和国…
カッパーベルトの銅の輸出経路としてベンゲラ鉄道・タンザン鉄道が利用された - アンゴラ…
原油の産出国であり、OPECにも加盟 - 南アフリカ共和国…
アフリカ最大の工業国
アパルトヘイトという人種隔離政策がとられた→現在は撤廃
ケープタウンはアフリカ最大の貿易港