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この問題でおさえておきたいこと

中国東北部、華北、華中、華南それぞれの農業・工業の特色をおさえよう!
農業・工業の主要政策や少数民族も要チェック!

解答
問1 ④   問2 ②   問3 ④

解説

問1 ①:焼畑農業は原則として熱帯地域でされるものですから、高緯度の地域でされるとは考えられません。よって、Dに居住する民族の説明と考えられます。

②:チベット仏教を信仰する人が多いので、チベット自治区か内モンゴル自治区を説明していると考えられます。地図より、内モンゴル自治区を示しているBといえます。「隣国」とはモンゴルのことです。

③:「固有の表音文字」「独特の床暖房設備」とあることから、文字はハングル文字、床暖房設備はオンドルと判断できます。つまり、朝鮮族のことを説明しているので、Aに居住していると判断できます。

④:日干しレンガの家がみられるということは乾燥地域であると判断でき、イスラム教の記述もありますから、シンチヤンウイグル自治区だと判断できるので、これがCの説明といえます。

問2 ①:西部で高くなっていて、なおかつペキンやシャンハイ、テンチンなどの大都市で低くなっていることから、第1次産業(=農林水産業従事者)就業者比率の図と考えられます。

②:沿岸部で高くなっています。沿岸部は、経済特区や経済技術開発区で工業が発展して豊かになったのですから、この図が人口1人当たり域内総生産額を示しているといえます。

③:西部や、内モンゴル自治区などの内陸部で高くなっていることから、牧畜がさかんということを手がかりに、ヒツジ飼養頭数を示した図だと判断できます。

④:中国の南部のほうで高くなっています。中国では、華中・華南で稲作がさかんなので、この図が米の割合を示しているといえます。

問3 ①:「直轄市」「首都の外港」からテンチンの説明といえます。

②:中国の特別行政区はホンコンかマカオなので、この文はホンコンの説明です。

③:シャンハイは中国最大の都市なので、この文がシャンハイを説明しています。

④:「経済特区」とあるので、経済特区に指定された5都市を思い出せば、この文がシェンチェンと判断できます。

ポイントのまとめ

1.自然

中国東部には平原などの低地が広がるが、西部には山脈や高原などの高地が広がる

例:テンシャン山脈クンルン山脈(この間にはさまれたところにタリム盆地があり、その盆地の大部分がタクラマカン砂漠
ヒマラヤ山脈(これとクンルン山脈の間にチベット高原

2.社会・政策

・住民統治

人口の90%は漢民族で、少数民族は自治区を形成

※5つの自治区

漢民族の都市の中には、直轄市(他の都市より権限が与えられた最高位の都市)や特別行政区(本国と異なる独自の法律が適用される、大幅な自治権のある地域)として統治しているところがある

直轄市はこの4つ

特別行政区はこの2つ

・農業政策

社会主義国としての中華人民共和国建国以来、人民公社が農業の集団化をすすめる
→農民の労働意欲の低下を招いたので、人民公社を解体し、生産責任制(生産請負制)を導入

※生産責任制…農作物を生産した農家などが、国に納めた残りの分を自由に市場に売り、自分の収入にすることができる制度

・工業政策

沿岸部に経済特区経済技術開発区を設置し、外国資本を導入、輸出志向型工業をおこなう
(国営企業ではなく、郷鎮企業(市町村や個人が経営する企業)が工業化を引っ張る)

※農業政策や工業政策でこのような変化があったのは、1970年代後半からの、農業、工業、国防、科学技術の四つの近代化(現代化)の政策が背景にあります。

3.農業

チンリン山脈ホワイ川を結ぶ線が年降水量750mm(~800mm)を示していて、それを境に北が畑作地域、南が稲作地域に区分できるということもおさえましょう。

4.工業