この問題でおさえておきたいこと
気候区分と気候の特色、その気候区分にあてはまる場所をセットで覚えよう!
解答
問1 ③ 問2 ④ 問3 ①
解説
問1 Aはアメリカ大陸西岸にあるので、地中海性気候の区分に入ると考えられます。ならば冬も温暖な気候となりますから、冬でも気温が高いイのグラフがAの気候をあらわしていると考えられます。
そして、Cはアメリカ東部に位置していますから、温暖湿潤気候の区分に入ります。日本と同じような気温になるグラフはどれかと考えていくといいでしょう。
あるいは、BとCではBのほうが内陸にありますから、Bのほうが気温の年較差が大きい大陸性の気候を示すと考えられますから、年較差が大きく示されているアのグラフはBの気候をあらわしていると考えることもできます。
いずれにしてもアがB、イがA、ウがCの気候をあらわしていると考えられるので、③が正解となります。
問2 Uは中国北東部の都市ですから、冷帯の冷帯冬季少雨気候の都市です。ということは、夏と冬との気温の年較差はかなり大きいと考えられますし、年平均気温も低いはずです。この条件を満たしているのは④です。
ちなみに、他の都市についてですが、Sは北西ヨーロッパに位置しているんで温帯の西岸海洋性気候ですから、気温の年較差が小さいです。しかし、緯度はけっこう高いので年平均気温はそこまで高くないので②だと考えられます。
そして、Tはアラビア半島に位置しているんで乾燥帯の砂漠気候ですから気温の年較差は大きく、夏はかなり高温になることがあるので年平均気温も高いと考えられるので③が該当します。そして、残ったRが①となります。
問3 Yはオーストラリアにあるということは南半球ですから、1月は夏ということになります。そして、Yのa地点はサバナ気候に区分されるので、雨季と乾季の区別があり、夏に雨季が訪れます。ということは、1月のa地点は降水量がかなり多いということになりますから、これにより①と判断できます。
ちなみに、Xのdもサバナ気候なので、Xの7月ではd地点の降水量は多いので、③はXの7月をあらわしています。残りの②はXの1月、④はYの7月ですが、この2つはグラフがさほど変わらないので判定が難しく、あまり深く考えなくてもいいと思われます。
ポイントのまとめ
ケッペンの気候区分と各気候区分の特色
熱帯(A)…年中高温(一番寒い月でも18℃以上)
- 熱帯雨林気候(Af)
…年中高温多雨でスコールが頻繁に発生。熱帯雨林が広がる。
地域―アマゾン川流域(セルバ)、コンゴ川流域からギニア湾沿岸、東南アジアの島々 - サバナ気候(Aw)
熱帯雨林気候の周囲に分布し、雨季と乾季の区別が明確(夏に雨季、冬に乾季)
地域―ブラジル高原、アフリカ中部、デカン高原、インドシナ半島など
乾燥帯(B)…降水量が少ない
- 砂漠気候(BW)…
年間降水量が250mm以下と少なく、気温の日較差が大きい
(ワジ(突発的な雨のときだけ水が流れる川)もみられる)
地域―サハラ砂漠やゴビ砂漠、グレートサンディー砂漠、アタカマ砂漠などの砂漠地帯、アラビア半島など - ステップ気候(BS)…
短い雨季があるので砂漠気候より雨が少し多く、草原ができている
地域―ウクライナからカザフスタン北西部、サハラ砂漠の北側と南側、南アメリカの乾燥パンパなど
温帯(C)…春夏秋冬の四季の変化が明確
- 温暖冬季少雨気候(Cw)…
夏は雨がとくに多くて高温で熱帯低気圧が来るが、冬は乾燥
地域―大陸東岸(中国華南、インドシナ北部など)、ガンジス川流域、南アメリカ中央部など - 地中海性気候(Cs)…
夏は乾燥するが、冬は温暖で雨がある(年間降水量は少ない)
地域―大陸西岸(カリフォルニア地方、チリ中部など)、地中海沿岸、アフリカ南端など - 温暖湿潤気候(Cfa)…
乾季がなく、夏は高温だが季節風の影響を受け、夏か冬に降水量が増加
(地域により、影響を受ける季節風の方向は異なるので、夏か冬かは地域による)
地域―東アジア、アメリカ東部、オーストラリア東岸、ラプラタ川流域など - 西岸海洋性気候(Cfb)…
乾季がなく、年中一定方向に吹く偏西風の影響で年間の降水量が一定で、気温の年較差も小さい
地域―北西ヨーロッパ、北アメリカ北西岸など
冷帯(D)…気温の年較差が大きい(冬は寒冷だが、夏はかなり高温)
- 冷帯湿潤気候(Df)…
年間を通じて平均した降雨がある
地域―シベリア西部、カナダなど - 冷帯冬季少雨気候(Dw)…
大陸性気候のため気温の年較差が最大で、夏に雨が降り、冬は乾燥
地域―中国北東部、シベリア東部
寒帯(E)…寒冷なため、樹木は生育しない
- ツンドラ気候(ET)…
短期間ながら0℃をこえる期間があり、その期間はツンドラとよばれる湿草原ができる
地域―北極海沿岸など - 氷雪気候(EF)…
最も暖かい月でも0℃をこえず、年中、氷雪におおわれる
地域―南極大陸など
高山気候(H)…
気温の年較差が小さく、1年を通じて比較的涼しいが、気温の日較差は大きい
地域―アンデス山脈中の高原都市(ラパス、キト、ボゴタなど)など
※高山気候だけはケッペンが定義した気候区分ではなく、後になって加えられたものです。