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この問題のポイント

熱効率は得た熱量のうち仕事に使われた割合、つまり(行われた仕事)÷(得た熱量)の値!

(1)1秒間に放出される水蒸気は2.0kg、つまり\( 2.0×10^3 \)gです。この量の水蒸気を水にもどしているというわけですが、水蒸気1gあたりの放出熱量は\( 2.3×10^3 \)Jなんですから、\( 2.0×10^3 \)gが放出する熱量は
\( 2.3×10^3×2.0×10^3 = 4.6×10^6 \)J

(2)この蒸気機関が1秒間に取り入れる熱量を$Q$Jとおきます。さっきの(1)より、この蒸気機関が1秒間に放出する熱量は\( 4.6×10^6 \)Jですから、仕事に変わった熱量は\( (Q-4.6×10^6) \)Jとおけます。

ここで、蒸気機関が取り入れた熱量、仕事に変わった分の熱量という事柄が現われました。取り入れた熱量のうちどれほどが仕事に使われたかを示す割合を熱効率といいますが、これを求める公式があります。この問題では、その公式が利用できないか考えてみましょう。

熱効率の公式

熱効率を$e$とおくと、
\( \displaystyle e = \frac{W}{Q_1} = \frac{Q_1-Q_2}{Q_1} \)
($W$は外部にした仕事,$Q_1$は吸収した熱量、$Q_2$は仕事に変わらず放出された熱量)

仕事に使われた熱量、または吸収熱と放出熱の差を吸収熱で割ることで求まる
(吸収熱の一部が仕事に使われ、残りは放出熱となるので、吸収熱と放出熱の差を利用してもいい)

問題文に「熱効率が15%」とありましたから、この公式を利用すると、次のような方程式ができます。
\( \displaystyle \frac{Q-4.6×10^6}{Q} = \frac{15}{100} \)
\( 15Q = 100(Q-4.6×10^6) \)
\( 15Q = 100Q-460×10^6 \)
\( -85Q = -460×10^6 \)
\( Q = 5.41…×10^6 \)

よって、求める熱量は約\( 5.4×10^6 \)Jです。

(3)ここまでの問題から、蒸気機関が1秒間に取り入れる熱量は約\( 5.41×10^6 \)J,放出する熱量は\( 4.6×10^6 \)Jとわかりました。ちなみに、このような数値計算では有効数字より1桁多くして計算することができる場合は、1桁多くしてから計算するようにします。そのようにしたほうがより正確な数値が計算できるうえ、後々の計算がしやすくなることもあるからです。

さて、この蒸気機関が1秒間にする仕事は
\( 5.41×10^6-4.6×10^6 = 0.81×10^6 \)Jです。
10分間は10×60秒ですから、10分間にする仕事は

\( 0.81×10^6×10×60 \)
\( = 486×10^6 \)
\( = 4.86×10^8 \)
\( ≒ 4.9×10^8 \)J

(4)1m3の水の質量は\( 1.0×10^3 \)kgで、この質量の水を45m持ち上げることになるわけです。

このとき、仕事は\( W = mgh \)で求まります(持ち上げるときに重力$mg$がかかる物体を$h$の高さ持ち上げるため)。よって、求める仕事は
\( 1.0×10^3×9.8×45 \)
\( = 441×10^3 \)
\( = 4.41×10^5 \)
\( ≒ 4.4×10^5 \)J

(5)さっきの(3)より、このポンプが10分間にする仕事は\( 4.86×10^8 \)Jとわかりました。そして(4)より、1m3の水を地上へくみ出すのに必要な仕事は\( 4.41×10^5 \)Jとわかりました。

よって、このポンプが地上へくみ出すことのできる水の体積は、
\( \displaystyle \frac{4.86×10^8}{4.41×10^5} ≒ 1.1×10^3 \)m3

答え.
(1)\( 4.6×10^6 \)J
(2)\( 5.4×10^6 \)J
(3)\( 4.9×10^8 \)J
(4)\( 4.4×10^5 \)J
(5)\( 1.1×10^3 \)m3