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この問題のポイント

像の位置と焦点距離との関係はレンズの公式(写像公式)1/a+1/b = 1/fとなる!
レンズの倍率はb/aの絶対値と等しい!

(1) 像とレンズとの距離を求めなければいけませんが、問題文では焦点距離がいくらかということも書かれています。像とレンズとの距離や焦点距離については、レンズの公式(写像公式)というものがあります。

映したい物体とレンズとの距離を$a$,像とレンズとの距離を$b$,焦点距離を$f$とすると、

\( \displaystyle \frac{1}{a}+\frac{1}{b} = \frac{1}{f} \)
(ただし、像が実像なら$b$は正の数、虚像なら$b$は負の数)

この公式を利用すると、レンズの焦点距離は20mmですから、

\( \displaystyle \frac{1}{24}+\frac{1}{OB} = \frac{1}{20} \)
\( \displaystyle \frac{1}{OB} = \frac{1}{20}-\frac{1}{24} = \frac{1}{120} \)
∴$OB$ = 120mm

次に、拡大率、つまりレンズの倍率を求めなければいけませんが、それは次の公式で求めることができましたね?

レンズの倍率$m$は、映したい物体とレンズとの距離を$a$,像とレンズとの距離を$b$とすると、

\( \displaystyle m = \left|\frac{b}{a}\right| \)
(ただし、像が実像なら$b$は正の数、虚像なら$b$は負の数)

像とレンズとの距離は120mmと求めたのですから、この公式を利用すると、
\( \displaystyle \left|\frac{120}{24}\right| \) = 5倍

(2) (1)のように、レンズの公式(写像公式)を利用して$OA$を求めていきます。ただし、$BB'$は虚像なので、負の数を代入するということに注意します。図より、$BB'$とレンズの距離は250-20 = 230mmなので、

\( \displaystyle \frac{1}{OA}+\frac{1}{-230} = \frac{1}{20} \)
\( \displaystyle \frac{1}{OA} = \frac{1}{20}+\frac{1}{230} = \frac{25}{460} \)
\( 25OA = 460 \)
∴$OA$ = 18.4mm

拡大率についても、(1)と同じように求めることができます。虚像なので負の数にすることに注意して計算すると、
\( \displaystyle \left|\frac{-230}{18.4}\right| \) = 12.5倍

(3) レンズ$L2$を使って虚像$CC'$を見ることができたわけですが、その$CC'$は$BB'$によってつくられたわけですから、$BB'$を実光源とみなし、$BB'$と$CC'$について、レンズの公式を適用していきます。

$L1$と$L2$の間隔を$x_1$mmとおくと、$L2$の焦点距離は50mmで、$L1$と$BB'$の距離は(1)で求めたとおり、120mmですから、

\( \displaystyle \frac{1}{x_1-120}+\frac{1}{-(250-50)} = \frac{1}{50} \)
\( \displaystyle \frac{1}{x_1-120} = \frac{1}{50}+\frac{1}{200} = \frac{1}{40} \)
\( x_1-120 = 40 \)
∴$x_1$ = 160mm

(4) $CC'$を結像させるためには、まず$BB'$の位置が定まっていないといけません。よって、まずそれを定めるために、レンズ$L2$と$BB'$との距離を求めます。その距離を$x_2$mmとおくと、

\( \displaystyle \frac{1}{x_2}+\frac{1}{300} = \frac{1}{50} \)
\( \displaystyle \frac{1}{x_2} = \frac{1}{50}-\frac{1}{300} = \frac{1}{60} \)
∴$x_2$ = 60mm

$L1$と$L2$の間隔は(3)で求めた160mmから変えないのですから、レンズ$L1$と$BB'$との距離は160-60 = 100mmということになります。よって、レンズ$L1$と$AA'$との距離を$y_1$mmとおくと、

\( \displaystyle \frac{1}{y_1}+\frac{1}{100} = \frac{1}{20} \)
\( \displaystyle \frac{1}{y_1} = \frac{1}{20}-\frac{1}{100} = \frac{1}{25} \)
∴$y_1$ = 25mm

(3)のときはレンズ$L1$と$AA'$との距離は24mmでしたから、25-24 = 1mmだけレンズから遠ざけなければなりません。

総合倍率ですが、これはそれぞれのレンズの倍率をかけることで求めます。この問題では、レンズ$L1$の倍率(\( \displaystyle \frac{BB'}{AA'} \))とレンズ$L2$の倍率(\( \displaystyle \frac{CC'}{BB'} \))をかけるわけです。総合倍率は、
\( \displaystyle \left|\frac{100}{25}\right|・\left|\frac{300}{60}\right| \) = 4・5 = 20倍

(5) レンズ$L2$とスクリーンの位置は変えないのですから、レンズ$L2$と$BB'$との距離は60mmのままで変わりません。また、$AA'$の位置も変えないのですから、$AA'$と$BB'$との距離も(4)のときと変わりません。

(4)では、レンズ$L1$と$AA'$との距離は25mm、レンズ$L1$と$BB'$との距離は100mmだったので、$AA'$と$BB'$との距離は25+100 = 125mmでした。よって、レンズ$L1$を交換したことでレンズ$L1$と$AA'$との距離が$x_3$mmになったとすると、次の方程式が成り立ちます。

\( \displaystyle \frac{1}{x_3}+\frac{1}{125-x_3} = \frac{1}{30} \)
\( \displaystyle \frac{125}{x_3(125-x_3)} = \frac{1}{30} \)
\( x_3(125-x_3) = 3750 \)
\( x_3^2-125x_3+3750 = 0 \)
これを解くと、\( x_3 = 50,75 \)

ただし、レンズ$L1$による倍率は1倍以上なので、
\( \displaystyle \left|\frac{125-x_3}{x_3}\right|≧1 \)
\( \displaystyle \frac{125-x_3}{x_3}≧1 \)
\( x_3≧0 \)なので、\( 125-x_3≧x_3 \)
\( 2x_3≦125 \)より、\( x_3≦62.5 \)

よって、\( x_3 = 50 \)ということになりますから、レンズ$L1$と$BB'$との距離は125-50 = 75mmということになるので、レンズ$L1$とレンズ$L2$の間隔は、
75+60 = 135mm

そして総合倍率は、
\( \displaystyle \left|\frac{75}{50}\right|・\left|\frac{300}{60}\right| \) = 1.5・5 = 7.5倍

答え.
(1) $OB$ = 120mm,拡大率は5倍
(2) $OA$ = 18.4mm,拡大率は12.5倍
(3) 160mm
(4) 物体$AA'$を1mmレンズから遠ざければよい,総合倍率は20倍
(5) レンズ$L1$とレンズ$L2$の間隔は135mm,総合倍率は7.5倍