この問題のポイント
変圧器内の2つのコイルにおける電圧と巻き数、電圧と電流の関係をおさえよう!
電圧と巻き数は比例の関係にあって、電圧と電流は反比例の関係(=(電流)×(電圧)は一定)!
問1 変圧器において、周波数は1次コイルと2次コイルでは変化しません。よって、2次コイルの周波数は50Hzのままです。
そして、電圧についてですが、電圧とコイルの巻き数においてはこのような関係が成り立ちます。
巻き数$N_1$の1次コイルにかかる電圧を$V_1$、巻き数$N_2$の2次コイルにかかる電圧を$V_2$とすると、
\( V_1:V_2 = N_1:N_2 \)
つまり、\( \displaystyle \frac{V_1}{V_2} = \frac{N_1}{N_2} \)
つまり、電圧と巻き数は比例の関係にあるということですね。
1次コイルと2次コイルの巻き数の比は2:1なので、1次コイルの巻き数を$2X$、2次コイルの巻き数を$X$とします。上の公式にあてはめて考えると、
\( \displaystyle \frac{10}{V_2} = \frac{2X}{X} \)
$X$を消去すると、\( \displaystyle \frac{10}{V_2} = 2 \)
\( 2V_2 = 10 \)なので、\( V_2 = 5 \)
よって、周波数50Hz、電圧5Vとなっている④が正解です。
問2 これも電圧と巻き数の関係が問題となっています。今度は巻き数のほうが問題となっていますが、この問題では、「●:●」というのが答えとなっているので、
\( V_1:V_2 = N_1:N_2 \)
という式を使って考えましょう。
1次コイルの電圧は6600V、2次コイルの電圧は100Vなので、
6600:100 = 66:1
これがそのまま1次コイルと2次コイルの巻き数の比となります。よって、正解は⑥です。
問3 この問題では、まず電圧と電流のことが問題になっています。電圧と電流については、このような関係が成り立ちます。
$I_1$の電流が流れる1次コイルにかかる電圧を$V_1$、$I_2$の電流が流れる2次コイルにかかる電圧を$V_2$とすると、
\( I_1V_1 = I_2V_2 \)
(電流)×(電圧)の値は一定になるということですね。この問題では1次コイルや2次コイルはありませんが、考え方は同じ形で大丈夫です。
この問題では具体的な値が与えられていませんから、もともとの電流を$I$、電圧を$V$というように、文字を使って考えます。そうすると、送電線に送り出されるときに電圧は10倍になるので、電圧は$10V$とおけます。このときの電流を$Y$とすると、
\( IV = Y×10V \)
\( 10Y = I \)
\( \displaystyle Y = \frac{1}{10}I \)
よって、\( \displaystyle \frac{1}{10} \)倍になるとわかります。
次に、送電線の抵抗によって熱として失われる電力について考えます。電力については、電力を$V$、電流を$I$、抵抗を$R$とすると、このような公式が成り立っていましたね?
\( \displaystyle IV = RI^2 = \frac{V^2}{R} \)
この問題では、抵抗がかかわっていることと、電流を変えたときの電力を問題にしているので、$RI^2$で考えてみましょう。
電流は\( \displaystyle \frac{1}{10} \)倍になったのですから、\( \displaystyle R×\left(\frac{1}{10}I\right)^2 = R×\frac{1}{100}I^2 \)
$RI^2$と比べると、\( \displaystyle \frac{1}{100} \)倍になっています。
答え.
問1 ④ 問2 ⑥
問3 2 …② 3 …①