この問題でおさえたいこと
それぞれの地域区分の気候の特徴をおさえ、それをグラフや表からどう読み取るかに慣れよう!
解答
(1)
① 黒潮→親潮(千島海流でもOK) ② ○
③ 小さい→大きい ④ ○
(2)
ア
(3)
イ
解説
(1)① 釧路など北海道東部は、沖合を流れる寒流の親潮(千島海流)の影響で、夏でも気温がそこまで上がりません。東北地方の太平洋側も、親潮(千島海流)の上を吹くやませという風の影響で冷害が発生することがあります。
② 横浜は「ポイントのまとめ」にある「③太平洋側の気候」にあたる地域にありますから、この内容は正しいです。
③ 長野は「ポイントのまとめ」にある「④中央高地(内陸性)の気候」にあたる地域にあります。そこでは、ほかの地域とくらべて夏と冬、昼と夜の気温差は大きくなります。
④ 金沢は「ポイントのまとめ」にある「②日本海側の気候」にあたる地域にありますから、この内容は正しいです。
(2)「県の面積は全国で最も小さい」「農業用に多くのため池がつくられ」という部分から、香川県のことを述べていると判断できます。その県庁所在地である高松のグラフを選ぶこととなります。
このような、気温や降水量を示したグラフを選ぶ問題では、まず気温に着目するのがコツです。「ポイントのまとめ」にもあるとおり、1年を通して北海道は気温が低く、南西諸島は気温が低いので、気温をもとにこの2つは判断がつきやすいからです。この問題では、ウのグラフだけ年平均気温が22.7℃ととても高くなっているので、これが南西諸島の気候の那覇のグラフとわかります。
次に、降水量に着目します。「ポイントのまとめ」にもあるとおり、日本海側の気候は冬に降水量が多いので、雨のグラフはU字型の形になります。また、太平洋側の気候は夏に降水量が多くなります。さらに、中央高地(内陸性)や瀬戸内の気候は降水量が少ないので、雨のグラフはほかと比べて低いようになります。
この問題では、イのグラフがU字型となっているので、日本海側の金沢のグラフといえます。残りのアとエですが、アのほうが年降水量や各月の降水量が少ないので、アが瀬戸内の気候の高松といえます。残った仙台と高松では高松のほうが気温が高いですが、年平均気温もアのほうが高い点もポイントですね。
(3)この問題では北海道や南西諸島の都市は含まれていませんから、まずは降水量に注目してみましょう。すると、エだけが冬の時期に降水量がとても多くなっています。よって、エは冬に降水量が多い日本海側の気候である新潟市とわかります。
そして、ウについては冬以外の時期、とくに夏に降水量がとても多くなっていますから、これは太平洋側の気候である静岡市とわかります。残るのは長野市と大阪市ですが、長野市は中央高地(内陸性)の気候で、大阪市は瀬戸内の気候なので、どちらも降水量はさほど多くありません。
そこで、気温を手がかりに考えると、「ポイントのまとめ」にもあるとおり、瀬戸内の気候のほうが中央高地(内陸性)の気候よりも気温が高いので、長野市のほうが気温が低いことになります。表を見ると、イのほうが気温が低いので、イが長野市、アが大阪市ということになります。
ポイントのまとめ
・日本の気候の特徴
1.季節風(モンスーン)の影響を受けている
- 夏…南東からの季節風の影響を受ける
- 冬…北西からの季節風の影響を受ける
2.世界のなかでも降水量が多い
- 6~7月ごろは梅雨とよばれる長雨の時期となる
- 秋ごろには太平洋で発生する台風が日本列島に上陸しやすくなる
・日本の気候の地域区分
①北海道の気候
世界の気候区分で北海道だけ冷帯(亜寒帯)に属している(ほかはほとんどが温帯)
→1年を通して気温が低く、冬の寒さが厳しい
また、梅雨がなく、台風もあまり上陸しないため、1年を通して降水量が少ない
②日本海側の気候
冬に吹く北西からの季節風が、日本海のしめった空気を運んでくる
→冬に雪が多く降るため、冬の降水量がとても多い
③太平洋側の気候
夏に吹く南東からの季節風の影響を直接受ける
→夏に雨が多く降るため、夏の降水量がとても多いうえ暑さもきびしい
反対に、冬の降水量は少ない
④中央高地(内陸性)の気候
海から遠く、山に囲まれているため、しめった季節風が吹き込みづらい
→1年を通して降水量が少ない
標高も高いので年間平均気温も低く、夏と冬の気温差が大きい
⑤瀬戸内の気候
北に中国山地、南に四国山地があるため、しめった季節風がが吹き込みづらい
→1年を通して降水量が少ない
中央高地より南側にあるので、中央高地よりも1年を通して気温は高い
⑥南西諸島の気候
世界の気候区分で南西諸島は亜熱帯に属している
→1年を通して気温が高い
梅雨や多く上陸する台風などの影響で1年を通して降水量も多い