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この問題でおさえたいこと

明治政府がどういう改革をしたかの中身をおさえる!
欧米諸国、東アジア、沖縄・北海道に対して起こしたアクションもおさえる!

解答
(1)(例)
各藩の大名が土地と人民を朝廷に返したこと。
(2)
20歳以上
(3)
江華島事件
(4)
① 台湾   ② 1879   ③ 開拓使
④ 蝦夷地   ⑤ 屯田兵
(5)
① イ   ② ウ

解説

(1)「奉還」とは天皇に返すことを意味しますから、返した相手が天皇(朝廷)であることにふれる必要があります。また、「返す」とあるのですから、誰から返されたのかも明らかにするべきです。

そして、「版」とは土地、「籍」とは人民のことを意味します。よって、天皇(朝廷)に何を返したのかということで土地と人民であることも説明するべきですね。

解答のチェックポイント

(2)「ポイントのまとめ」を参照してください。

(3)江華島事件は、1875年、朝鮮沿岸に軍艦を派遣した日本が、無断で測量をして圧力をかけ、朝鮮から砲撃を受けた事件のことです。これをきっかけとして日朝修好条規が結ばれ、日本は朝鮮を開国させました。

(4)琉球島民が殺害された場所で、政府がそれを受けて出兵した場所は台湾です。台湾に出兵したことで中国(清)は、琉球は日本の領土であることを事実上認めた和解を日本とかわします。また、北海道の昔の名称は蝦夷地でした。他の空所については、「ポイントのまとめ」を参照すればわかるかと思います。

(5)① Aについては、「ポイントのまとめ」にあるとおり正しいです。Bについては、小学校教育を受けるのは「男子」だけではなくすべての「男女」が正しいです。

② Aについては、明治政府はたしかに解放令を出して、えた・ひにんを廃止し江戸時代にあった身分制度をなくしました。しかし、解放令が出された後もさまざまな差別は残りました。

ちなみに、Bについては正しいです。福沢諭吉が『学問のすゝめ』で人間の平等や民主主義を紹介したこと、中江兆民はルソーの民主主義思想を紹介したことが自由民権運動に影響を与えたことはぜひおさえておきましょう。

ポイントのまとめ

・明治政府による改革

1868年3月、五箇条の御誓文により天皇が神に誓う形式で新政府の基本方針を示し、改革を実施

1)中央集権化

2)富国強兵(経済の発展と軍事力の強化によって近代的な国家をつくる)

・明治政府との国際関係

1)ヨーロッパ

不平等条約改正の交渉を目的に岩倉使節団を派遣
(全権大使は岩倉具視で大久保利通や木戸孝允らも派遣)

交渉は失敗、日本の国力を充実させることがいかに必要かを痛感して帰国→日本で富国強兵政策をすすめる

2)中国(清)

1871年に日清修好条規を結び、清と対等な関係をきずく

3)朝鮮

西郷隆盛板垣退助らは征韓論(武力で朝鮮を開国させようとする主張)を唱えるも、岩倉使節団に参加した大久保利通らの反対により、政府を去る

1875年 日本と朝鮮の間で武力衝突事件(江華島事件

1876年 日朝修好条規で朝鮮を開国させる
(朝鮮にとっては不平等な内容)

4)北海道

開拓のために開拓使という役所を設置
屯田兵が開拓をおこなう
(先住民族のアイヌは土地や漁場をうばわれる)

5)沖縄

明治政府は琉球王国を琉球藩にした

1879年に琉球藩を廃止して沖縄県を設置し、完全に日本に組み込んだ

※琉球藩を沖縄県として日本に組み込んだ一連の政策を琉球処分といいます。