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この問題でおさえたいこと

全員が納得・妥協できる解決策やルールを決めるときに、どういう点に注意すべきかを考える!

解答
(1)① エ   ② ウ
(2)エ
(3)(例)すべてのクラスが体育館と音楽室それぞれを1回ずつ利用できている。
(4)(例)むだになってしまう空席を1席も生じさせないようにするという考え。

解説

(1)① 「ポイントのまとめ」にもあるとおり、多数決はみんなが採決に参加して一人一票ずつを投じることができます。一人一票という形で全員が平等となることができるので、この意味で「誰もが一人として同等に扱われるべき」という考え方にかなっているといえます。

② 太郎と花子が約束を結んだ(=契約が成立した)ことにより、太郎にはノートを借りる権利と翌日そのノートを花子に返す義務が生じ、花子にはノートを貸す義務と翌日そのノートを返してもらう権利が生じます。よって、ウ以外は正しいことになります。

ちなみに、太郎と花子の間で交わしたような物の貸し借りや、スーパーマーケットなどで物を買うなどの日常的な売買なども契約です。しかし、ふだんの生活において、その状況で契約書を交わしたことはあまりないことからわかるとおり、契約書を交わす義務は生じません。ウが誤りといえるのはそのためです。

(2)生徒間で話し合いをしたことで機会が公正に守られ、昨年希望の通らなかったクラスを優先することで、昨年希望の通らなかったクラスをふくめてみんなが受ける結果について公正になっています。

(3)合唱コンクールがされるのは体育館ですから、体育館で練習ができればリハーサルのような形で合唱ができます。もしあるクラスが体育館で2回以上練習ができる一方で、別のクラスが体育館でまったく練習ができなかったということになると、練習ができなかったクラスのほうが不利になることが考えられます。

また、音楽室は合唱の練習に最適な場所ですが、この音楽室がまったく練習で使えなかったというクラスがあった場合も不公平です。そのような不公平な点がなく、どのクラスも平等に2つの練習場所を使う機会が確保されているという内容が解答にあるかどうかがチェックポイントです。

(4)もし1人乗り専用の入り口がなかった場合、図のAの3人が乗ると空席が1つできます。ただ、次のBの3人も1つの仲間ですからいっしょに乗りたいはずで、1人だけ乗ることを断る可能性が高いです。すると、せっかく4人乗ることができる電車で、1つの空席をつくって3人だけ乗せて出発するしかなくなります。

1人乗り専用の入り口があれば、その空席に1人が座ることで空席がなくなり、むだがなくなります。待っている人を少しでも減らせますから、乗客側にもメリットがあるわけです。解答としては、この空席のむだについてまとめればよいでしょう。

ポイントのまとめ

・社会集団

家族や学校、職場、地域社会など1つの社会を形づくっている集団を社会集団という
人間は、いくつかの社会集団に属し、その一員として協力していかなければ、生きていくことも生活を豊かにすることもできないため、人間は社会的存在といわれる

・民主的な解決方法

人間にはそれぞれ個性があり、考え方や求めるものもちがうので、集団内や集団間にてそれぞれの考え方や求めるものを実現しようとすると対立が生じることがある
→自分の考えを主張するだけでなく相手の話も聞き、解決策を求め互いに話し合うことで合意をめざすべき

・納得できる解決策を出すための考え方

次の2点がふまえられているかが大切

・きまり・ルールとその決め方

トラブルを未然に防ぐためや、社会集団の秩序を保つためにきまりルールが存在する
→きまりをつくるときには、だれにどのような権利があり、またどのような義務責任があるのかを明らかにする必要がある

きまり・ルールは次のような方法で決められる

採決のしかた

長所

短所

全員一致 みんなが納得できる 時間がかかる
多数決 一定時間内で決定でき、みんなが採決に参加できる 少数意見が反映されにくい
→結論を出す前に少数意見の尊重も大切
一人が決める 短時間で決定できる みんなの意見が反映されにくい

きまりは一度決めたら変えてはいけないというものではなく、取りまく状況が変化した場合などでは見直して変えていくことが大切である