この問題でおさえたいこと
アルファベットの略称だけでなく、何をあらわすことばか、どういう組織や協定なのかのおおまかな内容もおさえよう!
解答
(1)
① ス ② キ ③ セ ④ ソ
⑤ オ ⑥ ア ⑦ ク ⑧ サ
(2)
エ
解説
(1)後の「ポイントのまとめ」の説明に書かれている用語については、ここでの解説を省きます。「ポイントのまとめ」に説明されていないものを中心にここでは取り上げていきたいと思います。
① 第二次世界大戦前の世界恐慌のときは、欧米諸国が閉鎖的な経済ブロックをつくったことで戦争のきっかけをつくってしまいました。その反省のもと、できるだけ貿易を開放的にしようと、1948年に関税と貿易に関する一般協定(GATT)が結成されました。現在は世界貿易機関(WTO)に引き継がれています。
② 国際通貨基金(IMF)は通貨の安定や世界貿易の拡大を目的に設立された国連の機関です。
⑥ ASEAN自由貿易地域(AFTA)は、東南アジアにおける地域経済協力の一種で、東南アジアの市場統合や関税の削減などを通じて、貿易や投資を拡大させることを目的にしています。EUやNAFTAのようなしくみのものが東南アジアでつくられているわけです。
⑧ ECとそれが発展したEUには、時がたつにつれていろいろな国が加盟していき、範囲がどんどん大きくなりました。現時点では2013年のクロアチアの加盟が最後となっていて、それ以降はEUに加盟した国はありません。ちなみに、選択肢にあったチェコやエストニアはどちらも2004年にEUに加盟しました。
(2)2020年現在、スウェーデンはユーロを使用せず、古くからの自国通貨であるスウェーデン・クローナを使用しています。
ポイントのまとめ
・経済のグローバル化
関税の撤廃などで自由貿易を進めるために世界貿易機関(WTO)が発足している。
また、特定の国や地域の間で関税を撤廃するなどして自由貿易を促進する自由貿易協定(FTA)や、FTAを拡大して人の移動や投資などでも経済関係を強化する経済連携協定(EPA)をむすんでいる国々もある。
・地域主義
特定の国々や地域がまとまって経済や政治で協力を強める動きのことを地域主義という。
たとえば、次のような例がある。
- ヨーロッパ連合(EU)…
二度と戦争を起こさず、アメリカや日本の経済力に対抗するために設立
共通通貨のユーロを導入
1993年に発足して以降、加盟国が増加したが、2020年にイギリスが離脱 - 東南アジア諸国連合(ASEAN)…
東南アジアの経済・社会の発展のための協力を目的に結成され、現在は10か国が加盟
現在では、ASEAN加盟国に加え、日本・中国・韓国・インド・ロシア・アメリカ・オーストラリア・ニュージーランドが参加する東アジアサミットが年1回開催 - アジア太平洋経済協力会議(APEC)…
太平洋の沿岸の国や地域が貿易自由化や経済協力を進めるために話し合う
日本も参加している - 環太平洋経済連携協定(TPP)…
太平洋の沿岸の国が関税撤廃など経済の自由化を目的にした経済連携協定(EPA)
日本も署名したが、アメリカは離脱 - 北米自由貿易協定(NAFTA)…
アメリカ・カナダ・メキシコが参加し、貿易や投資の自由化を進めている協定
2020年にNAFTAに代わりアメリカ・メキシコ・カナダ協定(USMCA)が結ばれた
・地域主義の課題
加盟国間の経済格差が問題になったり、1つの国が経済危機になると地域内全体に影響を与えたりするなどの課題がある
例:2009年にギリシアが経済危機になり、EU全体の経済が大きく混乱