この問題でおさえたいこと
景気対策としてやる政策は
好景気のときは増税、公共事業削減、国債売り出し
不景気のときは減税、公共事業増加、国債買い上げ
解答
(1)い…エ え…ウ
(2)①…う ②…え
(3)①…エ ②…ア
(4)恐慌
解説
(1)経済活動が最もさかんになっているあが好況、経済活動が最もふるっていないうが不況です。よって、好況から不況にむかっているいが後退、不況から好況にむかっているえが回復です。
(2)「ポイントのまとめ」の説明より、①は不況(う)で起こりやすいといえます。
②については、インフレーションが続く=物価が上がり続ける=経済活動が上向きになり続けている状況なので、景気が回復している(え)ことになります。あの好況のときと考えたかもしれませんが、好況ではインフレーションがピークに達したときなので、インフレーションが「続く」状況としては不適でしょう。
(3)「ポイントのまとめ」の説明にあるとおり、①では一般の銀行の資金を増やして世の中にでまわる資金量を増やすという形、②では消費行動をおさえて経済活動を低下させる形の政策です。
(4)過去には1929年の世界恐慌などで経済活動が落ち込んだという歴史があります。
ポイントのまとめ
・景気の移り変わり
一般的に、資本主義国では好景気(好況)と不景気(不況)が交互にくり返される。これを景気変動(景気循環)という。
・景気変動の中身
好景気(好況)
- 商品がよく売れる。企業の生産が増える。
- 失業者が減り、賃金が上がる。
↓
後退
- じょじょに商品が売れなくなってくる。
- デフレーション(物価が継続的に下がること)がはじまる。
↓
不景気(不況)
- 商品が売れず、企業の生産が減る。
- 失業者が増え、賃金が下がる。
↓
回復
- 商品が必要になり、じょじょに商品が売れだしていく。
- インフレーション(物価が継続的に上がること)がはじまる。
↓
再び好景気(好況)のくり返し
・景気調整政策
政府と日本銀行がおこなっている
1)政府がおこなう景気調整政策(財政政策)
- 好景気のとき…
増税をして消費行動をおさえる
公共事業を減らし、仕事の量を減らす
(目的:世の中にでまわっている、多すぎる資金量を減らす) - 不景気のとき…
減税をして消費行動を活発にさせる
公共事業を増やし、仕事の量を増やす
(目的:世の中にでまわっている、少なすぎる資金量を増やす)
2)日本銀行がおこなう景気調整政策(金融政策)
- 好景気のとき…
一般の銀行に国債を売る
→一般の銀行が貸し出せる資金が減り、世の中にでまわる資金量も減る - 不景気のとき…
一般の銀行から国債を買う
→一般の銀行が貸し出せる資金が増え、世の中にでまわる資金量も増える
※このように、一般の銀行との間で国債を売り買いして世の中の資金量を調節することを公開市場操作(オープンマーケットオペレーション)といいます。