この問題でおさえたいこと
下級裁判所の種類や、最高裁判所の裁判官のなり方と役割を理解しよう!
裁判官の身分保障と司法権の独立についてもおさえる!
解答
(1)
A 終審 B 良心
C 独立 D 法律
(2)
ウ
(3)
① エ
② 番人
③ 国民審査
(4)
① カ
② 高等裁判所
解説
(1)「行政機関は、終審として裁判を行ふことができない」とは、つまり、内閣は最終的な判決を裁判所のかわりにくだすことができないということです。三権分立をさだめた内容といえますね。
(2)日本国憲法の施行は1947年です。アイヌ文化振興法は1997年、個人情報保護法は2003年、労働組合法は1945年、男女雇用機会均等法は1985年に制定されました(ちなみに、労働組合法は1949年に全部改正されています)。
ちなみに、労働組合法が日本国憲法より前に制定されたのは、第二次世界大戦後の民主化改革の1つとして行われたからです。
(3)「ポイントのまとめ」を読んでください。
(4)① 裁判官は「ポイントのまとめ」にある3つの理由以外では主に辞めさせられることはありません。なので、内閣総理大臣の意思や、国民の要求だけで辞めさせられることはありません。
ちなみに、下級裁判所の裁判官は内閣によって任命されますが、実質としては最高裁判所から提示されるリストにしたがって任命をするようなので、内閣が任命するというのは形式的なものにすぎない形になっています。
② この問題文にある「控訴審」というのは、要するに第二審のことです。地方裁判所などで出された第一審の判決に納得がいかなかったときに、高等裁判所で第二審がされるわけですが、それが「控訴審」というわけです。
ポイントのまとめ
・司法権の独立
1)司法権の独立とは
司法権…法にもとづいて判断をくだす権利のことで、裁判所がその権利を持っている。
司法権の独立…公正な裁判をするために、裁判所や裁判官は、国会や内閣などから干渉を受けないという原則
※日本国憲法の条文には、司法権の独立を定めたものがあります。重要な条文なのでチェックしましょう。
日本国憲法第76条
すべて裁判官はその良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される。
2)裁判官の身分保障
日本国憲法第76条にあるとおり、裁判官は自分の良心と憲法・法律にだけしたがって判断をすればよい。
また、裁判官は、以下の3つなどの特別な理由がない限り辞めさせられることはない。
- 心身の故障
- 弾劾裁判所(国会に設置される、裁判官を辞めさせるかどうかについての裁判所)でやめさせられた場合
- 国民審査(裁判官として適しているかどうかを国民が審査する)で国民から辞めさせるべきと判断された場合
(最高裁判所の裁判官のみ)
・裁判所
裁判所は、最高裁判所と、それ以外の下級裁判所)に分けられる
1)最高裁判所
最高裁判所の長官は内閣が指名し、天皇が任命する。
また、最高裁判所のその他の裁判官は内閣が任命する。
数や人員…
全国に1つだけある(東京都に置かれている)
長官1人と裁判官14人の合計15人で構成
役割としては次のようなものがある
- 終審の裁判をおこなう(=最終の判決をくだす)
- 国会が制定した法律が憲法に違反していないかどうかを審査する権限(=違憲立法審査権)をもっている
※違憲立法審査権をもっているので、最高裁判所は「憲法の番人」とよばれています。
2)下級裁判所
下級裁判所の裁判官は内閣が任命する。
1.高等裁判所
数…札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡に1つずつなので、合計8つ(それぞれの地方に1つずつある)
役割…第一審で不服だった場合にもう一度判決をくだす
2.地方裁判所
数…全国に50(北海道に4つ、それ以外の都道府県に1つずつ)
役割…多くの第一審をおこなう
3.家庭裁判所
数…全国に50(地方裁判所と同じ都市にある)
役割…少年事件や家庭内のもめごとなどを扱う
4.簡易裁判所
数…全国に438
役割…交通違反や軽犯罪を扱う