この問題のポイント
割合を使っている文章題は、もとの値を文字におく!
比を使っている文章題は●:▲なら●や▲を文字の係数にして考えてみる!
(1)この問題のように、割合を使った文章題では、もとの値、つまり「●●の▲▲%」「●●の▲▲割」などの文言の●●の部分の個数を文字にして考えます。そうすると、その「▲▲%」などの部分も文字を使って考えられるからです。この問題では、仕入れたAの個数をx,Bの個数をyとおきます。仕入れたAの個数を求める問題なので、ちょうどいいですね。
まず、「午前中にAとBを合わせた個数の30%にあたる57個が売れ」たんですが、AとBを合わせた個数はx+yとおけますから、これの30%とは310(x+y)です。
それが57個だというわけですから、
310(x+y)=57
3(x+y)=570
x+y=190 …①
そして、1日で「Aの90%,Bの96%が売れ」たとありますが、逆にいえば、Aの10%,Bの4%は売れ残ったということになります。それぞれの個数は10100x,4100yとおけますね?「▲▲%」などの部分も文字を使って考えられる、とさっき述べましたが、まさにこのように文字を使ってあらわすことができましたね。
さて、この2つを足し合わせると16個なんですから、
10100x+4100y=16
10x+4y=1600 …②
①と②を連立方程式にして解くと、①×4-②より、
−6x=−840
x=140より、仕入れたAの個数は140個と求まります。
ちなみに、問題では聞かれていませんが、仕入れたBの個数は、x=140を①に代入して、
140+y=190
y=50より、50個とわかります。
(2)この問題では、次の日になると大人が増えて子どもが減ったという変化があります。このような増減がある問題では、増えたり減ったりする前の数を文字におくのが鉄則です。この問題なら、2月7日の人数から10%増えたり20%減ったりしているので、2月7日の人数を文字におきます。これが2月8日の人数を求める問題だったとしても、文字におくのは2月7日の人数のほうにします。
2月7日の大人の入館者数をx人,子どもの入館者数をy人とします。この日は、博物館に入館したのは合計300人ですから、
x+y=300 …③
2月8日については、大人は10%増えたんですから、x+110x=1110x人とおけます。そして、子どもは20%減ったんですから、y−210y=810y人です。もともとの値を文字におけば、増減後の数についてもこのように文字を使ってあらわしやすくなりますね。
この大人と子どもが入館料を払って、合計金額が87000円となったわけです。大人の入館料は500円で、子どもは200円でしたから、
500×1110x+200×810y=87000
550x+160y=87000 …④
③と④で連立方程式ができますから、それを解きます。③×160-④より、
−390x=−39000
x=100
これを③に代入すると、
100+y=300
y=200なので、2月7日の大人の入館者数は100人,子どもの入館者数は200人です。
ちなみに、増減後(この問題なら2月8日の入館者数)の数値を求める問題だった場合は、この増減前の数値を使ってさらに計算します。
2月8日の大人の入館者数は1110x人とおけましたから、
1110×100 = 110人
2月8日の子どもの入館者数は810y人とおけましたから、
810×200 = 160人
というように計算していきます。
(3)この問題では、個数についてパーセントではなく比で与えられています。比で与えられた問題で文字にして考えるときは、●:▲なら●aや▲aのように、比の数を文字の係数にして考えると解きやすいことが多いです。なので、開店時の商品A,商品Bの個数を6x個,5x個とおいてみましょう。
午前中に商品Aは10%が売れたんですから、売れ残ったのは90%分ということになります。よって、売れ残った商品Aの個数は910×6x=275x個です。
一方、商品Bは7個売れましたから、売れ残った商品Bの個数は(5x−7)個です。
そして、正午にA,Bは同じ個数追加されました。すると、個数の比は9:8になったわけです。そこで、この比を使って追加後のA,Bの個数をさっきみたいに考えて9y個,8y個としてみます。追加した個数は同じなんですから、
9y−275x=8y−(5x−7)
9y−275x=8y−5x+7
45y−27x=40y−25x+35
−2x+5y=35 …⑤
そして、「AとBの個数の合計は開店時に比べて35個増えていた」と問題文にあります。開店時のAとBの個数の合計は6x+5x=11x個,いくつか売れて商品を追加した後のAとBの個数の合計は9y+8y=17y個とおけますから、
17y=11x+35
−11x+17y=35 …⑥
これで⑤と⑥の連立方程式ができましたから解いていくと、⑤×11-⑥×2より、
21y=315
y=15
これを⑤に代入すると、
−2x+5×15=35
−2x+75=35
−2x=−40
x=20
ただ、これをそのまま答えとしてはいけません!開店時の商品A,商品Bの個数を6x個,5x個とおいていたんですから、求めた値を使って計算をしないといけませんね?
開店時の商品Aの個数は6×20 = 120個
開店時の商品Bの個数は5×20 = 100個です。
(別解)
正午に商品Aと商品Bに同じ個数を追加しましたが、この個数をyとおいても求めることができます。
午前中に売れ残った商品Aの個数は275x個,売れ残った商品Bの個数は(5x−7)個となるのはさっきと同じですが、この値にそれぞれy個が加わると考えるわけです。
加えた後の個数の比が9:8になるので、
(275x+y):(5x−7+y)=9:8
a:b=c:dのときad=bc(外側どうしと内側どうしをかけたときの値は等しい)という比の性質を利用して、
8(275x+y)=9(5x−7+y)
2165x+8y=45x−63+9y
216x+40y=225x−315+45y
−9x−5y=−315 …⑦
そして、正午に追加してAとBの個数の合計は開店時に比べて35個増えていたとありました。開店時のAとBの個数の合計は11x個とするのはさっきと同じですから、
(275x+y)+(5x−7+y)=11x+35
27x+5y+25x−35+5y=55x+175
−3x+10y=210 …⑧
⑦と⑧を連立方程式にして解くと、x=20,y=27となります。
このxの値を求めて以降については、さっきの解き方といっしょです。
答え.
(1)140個
(2)ア…100 イ…200
(3)A…120個 B…100個