問題ページにもどる

この問題のポイント

二次方程式の解がわかっていれば、それをもとの方程式に代入しても成立する!
二次方程式の解がpとqならば、(x-p)(x-q) = 0が成り立つ!

(1)中1や中2のときに方程式についての問題を解くとき、方程式の解が$x$ = …とわかっていれば、それをもとの方程式の$x$に代入して計算していくという解き方をしたことがありましたね?二次方程式でも同じようにすることができます。

この問題では、方程式①が$x = 5$を解にもつということなので、方程式①の$x$に5を代入して計算していきましょう。

\begin{eqnarray} &&5^2-5a+30 = 0\\ &&-5a+55 = 0\\ &&-5a = -55\\ &&a = 11 \end{eqnarray}

(2)二次方程式を解くときに因数分解をして求めるというやり方がありました。(x-●)(x-▲) = 0という形にできたら、x-● = 0かx-▲ = 0が成り立つのだから、方程式の解はx = ●,▲という解き方です。ということは、二次方程式の解がx = ●,▲ならば(x-●)(x-▲) = 0が成り立つということになります。

これを利用して考えてみます。方程式①の解を$p$,$q$とすると、\( (x-p)(x-q) = 0 \)が成り立ちますから、
\( x^2-px-qx+pq = 0 \)
\( x^2-(p+q)x+pq = 0 \)

もともとの方程式①と比べてみると、
\( p+q = a \)…ア
\( pq = 30 \)…イ
とわかります。

ここで、問題文より、方程式①の解は整数ということだったので、$p$も$q$も整数ということになります。イより、$p$と$q$をかけたら正の数になるので、$p$も$q$も両方とも正の整数か両方とも負の整数であるといえます。しかし、アに関して、問題文より$a$は自然数であることが書かれていました。ということは、$p$と$q$をたしたら正の数なので、$p$も$q$も正の整数、つまり自然数であることがわかります。

正の数どうしでかけ算をして30になる組み合わせを考えると、$p$,$q$はこのような組み合わせが考えられます。

\( p = 1,q = 30 \)→このときの\( p+q( = a) = 31 \)
\( p = 2,q = 15 \)→このときの\( p+q( = a) = 17 \)
\( p = 3,q = 10 \)→このときの\( p+q( = a) = 13 \)
\( p = 5,q = 6 \)→このときの\( p+q( = a) = 11 \)
\( p = 6,q = 5 \)→このときの\( p+q( = a) = 11 \)
\( p = 10,q = 3 \)→このときの\( p+q( = a) = 13 \)
\( p = 15,q = 2 \)→このときの\( p+q( = a) = 17 \)
\( p = 30,q = 1 \)→このときの\( p+q( = a) = 31 \)

よって、考えられる$a$の値は11,13,17,31の4個です。

(3)方程式②を変形すると、\( 3b = -x^2+22x \)
\( 3b = x(22-x) \)
問題文で$b$は自然数とあったので、$3b$は3の倍数ということになりますから、$x(22-x)$も3の倍数です。

方程式②が①と共通の整数の解をもつということですが、方程式①がどんな整数の解をもつかは(2)の解説で1,2,3,5,6,10,15,30とわかりました。ということは、方程式②もこのうちのどれかを解にもつということになります。

このなかで$x(22-x)$に代入したら3の倍数になるものは1,3,6,10,15の5つです。
よって、題意を満たす$a$と$b$の値の組は5通りとわかります。

答え.
(1)11   (2)4   (3)5