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この問題のポイント

マイナスの後の式はカッコで囲うのを忘れずに!
代入する前に計算して簡単にできそうなら先に計算を!

(1)縦,横,斜めどの列をたしても和が同じになるものを魔方陣といいますが、魔方陣の問題を解くときは、3つすべてのマスが埋まっている列はないかを探すことが重要です。この問題では、真ん中の縦の列がすべて埋まっていますから、この列を使って考えます。

文字を含んだ式の足し算・引き算は、文字が同じ項どうしで係数(文字の前にある数)を計算し、数だけの項はそれどうしで計算します。この問題の場合、真ん中の縦の列にあるのは\( -4a+1 \),1,\( 4a+1 \)ですから、

$-4a$$+1$$+1$$+4a$$+1$

この式について、$a$を含んだ項(赤文字で示された項)どうしでは係数の-4と+4を計算すると、0になりますから、$a$を含んだ項は消えます。そして、数だけの項(青文字で示された項)である部分だけを計算すると+3となりますので、

\( -4a+1+1+4a+1 = 3 \)

よって、魔方陣の一番上の横の列にある3つの式をたしても3になるはずですね?ということは、3から \( -4a+1 \)と\( 3a+1 \)をひいたら㋐の式が求まります。ただ、注意しなければならないのは、マイナスの記号の後に式をおくときは、その式をカッコで囲わないといけないということです。つまり、今回の場合だと、

\( 3-(-4a+1)-(3a+1) \)
としないといけません。計算の過程でカッコをはずしていけばいいわけです。さて、計算していくと、

\( 3-(-4a+1)-(3a+1) \)
\( = 3+4a-1-3a-1 \)
\( = a+1 \)
これが㋐にあてはまる式です。

(重要)

なぜ、マイナスの記号の後に式をおくときにカッコが必要なのかでしょうか?たとえば、さっきの問題では\( 3a+1 \)を引き算しましたが、カッコで囲うのと囲わないのとでは、次のように違いがあります。

\( -(3a+1) \)
\( -3a+1 \)

\( -3a+1 \)としてしまうと、マイナスの記号がついているのは$3a$に対してだけのようになってしまいます。実際は\( 3a+1 \)全体を引き算するわけですから、カッコで式全体を囲う必要があるわけです。

(2)\( A-3B \)とは、\( 2x-5y-z-3(-x-7y+2z) \)ということです。$3B$とは$3×B$のことですが、かけ算においても式をおくときはカッコが必要です。カッコをはずすときは分配法則、つまり●×(▲+■) = ●×▲+●×■の形を使います。

\begin{eqnarray} &&2x-5y-z-3(-x-7y+2z)\\ &&= 2x-5y-z\\ &&~~~~-3×(-x)-3×(-7y)-3×(2z)\\ &&= 2x-5y-z+3x+21y-6z\\ &&= 5x+16y-7z \end{eqnarray}

よって、\( 5x+16y-7z-C = -2x+5z \)ということになるわけです。ここで、たとえば、6-■ = 2という式の場合、■にあてはまる数は6-2 = 4と求めることができます。同じ考え方で$C$に入る式を考えると、

\( 5x+16y-7z-(-2x+5z) \)
\( = 5x+16y-7z+2x-5z \)
\( = 7x+16y-12z \)

(3)式のなかにある文字を数字に置き換えることを代入、代入して計算した結果を式の値といいます。4つの式それぞれに\( a = -3 \)を代入して計算していきましょう。

ア…
\( -2×(-3) = 6 \)

イ…
\( (-3)^2+3×(-3)-1 \)
\( = 9-9-1 \)
\( = -1 \)

ウ…
\( 2\{(-3)+3\} \)
\( = 2×0 \)
\( = 0 \)

エ…
\( \displaystyle \frac{2}{3}×(-3)+3 \)
\( = -2+3 \)
\( = 1 \)

このなかで最も小さいのはイの-1です。

(4)与えられた式に直接代入して求めていってもいいのですが、計算が少し面倒そうですし、計算ミスの可能性も高くなりそうですね?よく見ると、与えられた式は計算ができそうです。その場合、先に計算をして式を簡単にしてから代入しましょう。そうすると、計算ミスの可能性も低くなるからです。

ちなみに、この問題では分数の計算となるので通分をしないといけません。式をふくむ分数の通分をするときは、式をカッコで囲うことに注意しましょう。たとえば今回の式だったら、このようにします。

\( \displaystyle \frac{x+y}{2}-\frac{3x-5y}{3}-3y \)
\( \displaystyle = \frac{3(x+y)}{3×2}-\frac{2(3x-5y)}{2×3}-\frac{6×3y}{6} \)

このように、分子全体をかけ算するのでカッコで囲わないといけないわけですね。さて、計算を続けると、

\( \displaystyle \frac{3(x+y)}{6}-\frac{2(3x-5y)}{6}-\frac{18y}{6} \)
\( \displaystyle = \frac{3(x+y)-2(3x-5y)-18y}{6} \)
\( \displaystyle = \frac{3x+3y-6x+10y-18y}{6} \)
\( \displaystyle = \frac{-3x-5y}{6} \)

ここに\( \displaystyle x = \frac{1}{2} \),\( \displaystyle y = -\frac{1}{3} \)を代入すると、

\( \displaystyle \frac{-3×\displaystyle\frac{1}{2}-5×\left(-\displaystyle\frac{1}{3}\right)}{6} \)
\( \displaystyle = \frac{-\displaystyle\frac{3}{2}+\displaystyle\frac{5}{3}}{6} \)
\( \displaystyle = \frac{\displaystyle\frac{1}{6}}{6} \)

これはつまり、\( \displaystyle \frac{1}{6}÷6 \)ということなので、
\( \displaystyle \frac{1}{6}×\frac{1}{6} = \frac{1}{36} \)

答え.
(1)\( a+1 \)
(2)\( C = 7x+16y-12z \)
(3)イ
(4)\( \displaystyle \frac{1}{36} \)