この問題のポイント
素因数分解は素数だけのかけ算になった形!
倍数は素数の指数となってしまうことに気づくかどうかがポイント!
素数は、1と自分自身の数でしか割り切れない数のことで、素因数分解とは素数のみのかけ算の形であらわすことをいいます。なので、素数じゃない数については素因数分解ができるということになります。
たとえば、1から10までの自然数の積を素因数分解するとします。
1×2×3×4×5×6×7×8×9×10
とあらわすことができますから、これを素因数分解します。
素因数分解では1を省略します。そして、色がついている数字について、4,6,8,10は2の倍数、6,9は3の倍数、10は5の倍数となっているので素因数分解できますから、素因数分解した形にすると、
$2$×$3$×$2^2$×$5$×$2×3$×$7$×$2^3$×$3^2$×$2×5$
そうすると、この式では2が8個、3が4個、5が2個かけられていることになりますから、
\( 2^8×3^4×5^2×7 \)
という形に素因数分解できました。倍数になっている数は素数の指数に組み込まれました。
(1)① 指数が1ということは、1から100までの中に自分の倍数が存在してしまうと指数が増えてしまうことになりますから(さっきの例でも2や5は倍数があったから「●乗」となって指数がつきました」)、1から100までの中に倍数が存在しない素数じゃないといけません。
「最大」の素因数とあるわけですから、100から考えたほうが早いですね?
100…2などの倍数なので素数ではない
99…3や11などの倍数なので素数ではない
98…2や7などの倍数なので素数ではない
97…素数である
よって、求める素因数は97です。
② 指数が2ということは、倍数として存在していいのは1つだけということになります。ということは、倍数が1つまでならいいということは「●×2」だけしか存在してはいけないということになります。
範囲は1から100までですから、●にあたる数は50以下でないといけません。●は素数でないと素因数分解されちゃいますので素数を探すことになりますが、「最大」の素因数なので①と同じように考えると、
50…2や5などの倍数なので素数ではない
49…7の倍数なので素数ではない
48…2や3などの倍数なので素数ではない
47…素数である
よって、求める素因数は47です。
③ 指数が5ということは、②と同じように考えれば、倍数として存在していいのは4つだけということになり、「●×2、●×3、●×4、●×5」だけしか存在してはいけないことになります。(②と同じで●は素数です)範囲は1から100までですから、●×5は100以下じゃないといけません。
そして、●×6が1から100までの範囲に存在してしまうと、倍数が5つ存在してしまうことになり、指数が6になってしまいますね。ということで、●×6が1から100までの範囲に存在しないようにするためには、●×6が100より大きい数になってもらわないといけません。
以上より、●×5≦100<●×6が成り立ちます。
●×5≦100を解くと、●≦20 …$A$
100<●×6を解くと、●>\( \displaystyle \frac{50}{3} \) …$B$
$A$と$B$の範囲両方を満たす素数は17と19です。
(2)3の倍数が何個あるかを考えると、100÷3 = 33あまり1なので、33個あるとわかります。「3×〇」となっている数が33個あるわけですから、3は33回かけられていることになります。
しかし、これが32、つまり9の倍数になると、「9×〇 = 3×3×〇」となるわけですから、この倍数については3がもう1回余分にかけられていることになります。
9の倍数は100÷9 = 11あまり1なので11個あるとわかります。「3×3×〇」となっている数が11個ありますから、11回さらに3がかけられていることになります。
同じように考えると、33、つまり27の倍数になると、「27×〇 = 3×3×3×〇」となるので、この倍数については3がさらにもう1回余分にかけられています。27の倍数は100÷27 = 3あまり19なので3個です。
34、つまり81の倍数は100÷81 = 1あまり19なので1個あります。そして、35となると、243となるのでこの倍数は1から100までの範囲には存在しません。
なので、結局3は
33+11+3+1 = 48回
かけられていたことになるので、指数は48となります。
答え.
(1)① 97 ② 47 ③ 17,19
(2)48