この問題のポイント
関係詞を含んでいる節の中で「~を」「~に」の役割がある関係代名詞は
直前の名詞が人ならthat(省略可能)
直前の名詞がものならwhichかthat(省略可能)
解答
(1)イ (2)イ (3)ウ
(4)ア (5)ア
解説
(1)「彼女の母親がつくったドレスはとても美しいです。」
はじめにThe dress(ドレス)とあり、どんなドレスかの説明としてher mother made(彼女の母親がつくった)という文が直後にある形になっています。このher mother madeという部分だけを見ると「何を」つくったのかというのがありません(「何を」つくったのかはThe dressのことだから当然ですよね?)。
よって、「~を」にあたる部分の説明をする関係代名詞を使って、her mother madeという文をつなげなければなりません。「~を」「~に」の部分の説明をする関係代名詞で、ものをあらわす単語の説明をするときはwhichかthatを使います。よって、イの選択肢が最も正しいということになります。
(2)「オカダ先生はみんなが好んでいる先生です。」
Mr. Okada is a teacher.(オカダ先生は先生だ)という文があり、どんな先生かを説明するeveryone likes(みんなが好きだ、みんなが好んでいる)というのが直後につながっています。
このeveryone likesには「~を」という部分がありません(likeは「~が好き」と訳されることがふつうですが、昔からの日本語では「~を好む」というのが多いです)。ここでも、(1)と同じように「~を」の部分の役割をする関係代名詞を使う必要があるということになります。
「先生」は人をあらわしている単語です。「~を」「~に」の部分の説明をする関係代名詞で、人をあらわす単語の説明をするときはthatを使います。高校英語ではwhomという関係代名詞も使えると教わりますが、中学英語の範囲ではthatだけをおさえればじゅうぶんです。よって、イが正解です。
ここで、「~が(は)」の部分の役割をする関係代名詞の復習もできるように、「~を」「~に」の部分の役割をする関係代名詞と比べてみましょう。
- 人をあらわす単語の説明をするとき:
「~が(は)」の部分の役割をする関係代名詞…whoかthat
「~を」「~に」の部分の役割をする関係代名詞…that - もの(人以外)をあらわす単語の説明をするとき:
「~が(は)」の部分の役割をする関係代名詞…whichかthat
「~を」「~に」の部分の役割をする関係代名詞…whichかthat - 関係代名詞の直後:
「~が(は)」の部分の役割をする関係代名詞…動詞(主語の部分がないわけなので)
「~を」「~に」の部分の役割をする関係代名詞…〈主語+動詞〉の形
(3)「私たちは、彼らがその店で売っている肉が好きです。」
sell at the store(その店で売る)という部分はthe meat(肉)を説明していますね?ただ、エのtoを入れると、to不定詞となりますから、「~するための」という意味になるので、「その店で売るための肉が好き」といいうことになってしまい、意味が通じません。
sell at the storeという部分だけをよく見ると、「~は(が)」の部分がありませんので関係代名詞が使えるはずです。そうなると、関係代名詞である選択肢のアかイが考えられます。
ところが、過去の問題の解説にもあるとおり、動詞は関係代名詞直前の名詞(どんなものか説明されている単語)に合わせる必要があるので、sellはthe meatに合わせてsellsとなるはずですが、この問題ではそのようになっていません。
そうなると、残ったウのtheyしか考えられないとなりますが、関係代名詞を使っていないことに疑問があるかもしれませんね?「~を」「~に」の部分の説明をする関係代名詞は省略することができるんです。
the meatの後はthey sellとなって〈主語+動詞〉の形になっています。(2)の赤枠で囲った部分の説明から考えると、「~を」「~に」の部分の役割をする関係代名詞が本来ならばあったと考えることができます。We like the meat which(またはthat) they sell at the store.のwhich(that)が省略された形だというわけです。
(4)「ソファーで眠っている女の子と猫を起こしてはいけません。」
are sleeping on the sofa(ソファーで眠っている)という部分はthe girl and the cat(女の子と猫)を説明しているというのは明らかでしょう。つまり、「どんなのか」を説明されているのは2つあるということですね?
そして、are sleeping on the sofaという部分を見ると、この部分には「~は(が)」にあたるもの(主語)がありませんので、関係代名詞を使う必要があります。ところが、この問題では、片方は「女の子」という「人」ですが、もう片方は「猫」という「もの」になっています。
このように、「人」と「もの(人以外)」の両方の説明をするときは、関係代名詞はthatを使うのがふつうです。片方に合わせるともう片方との整合性がとれなくなるからですね。よって、その選択肢になっているアが最も正しいことになります。
(5)「これは私が今までに見たなかで一番高い山です。」
This is the highest mountain(これは一番高い山だ)とI have ever seen(私が今までに見た)をどうつなげれば自然かを考えると、I have ever seenという部分は「山」(mountain)を説明していると考えるとよさそうですね。
しかし、このmountainには最上級がついています。最上級がついている場合は関係代名詞はthatを使うのが好まれます。よって、アのthatが一番よいということになります。
ちなみに、関係代名詞でthatが好まれる場合を整理すると、このようになります。
- 「人」と「もの(人以外)」の両方の説明をするとき
- 最上級がついているとき
- first(1番目の)、second(2番目の)、third(3番目の)など順番をあらわす単語がついているとき
- only(たった一つの)やall(全部の)、every(すべての)がついているとき
- everything、anything、nothingの単語のとき