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この問題でおさえておきたいこと

直列つなぎでおもりが下端に1つだけならすべてのばねにかかる力は同じ!
ばね定数がa:bのばねの並列つなぎは、それぞれのばねにかかる力もa:b!

解答
(1)ばねA…10N/m   ばねB…2.5N/m
(2)4.0N   (3)0.40m
(4)12.5N/m   (5)2.0N/m

重要事項のまとめ

・直列つなぎのばねにかかる力

中学 理科 問題演習 直列つなぎをしたばねの図

ばねは直列につなげたとしても、自身より下につるされた物体の重さだけの力しかかからない。
よって、図Aのようにばねを直列につなげて一番下に物体をつるした場合、ばねAとばねBにかかる力は同じである。
(つまり、図Aのとき、ばねA・ばねB両方ともかかる力はX〔N〕

一方、図Bのような場合、ばねAより下には2つの物体がつるされているが、ばねBより下には1つの物体しかつるされていない形になっている。
よって、2つのばねの間にも物体をつるした場合、ばねAには2つ分の物体の力、ばねBには1つ分の物体の力がかかる
(つまり、図Bのとき、ばねAにかかる力はX+Y〔N〕、ばねBにかかる力はX〔N〕


・並列つなぎのばねにかかる力

中学 理科 問題演習 並列つなぎをしたばねの図

ばね定数(ばねを1.0mのばすのに必要な力の大きさ)がabの2本のばねを並列につなげたとき、ばねにかかる力はabに分散される。
よって、図Cで、ばねAとばねBのばね定数の比がabならば、
ばねAにかかる力…aa+bX〔N〕
ばねBにかかる力…ba+bX〔N〕

そして、それぞれのばねと物体との距離の比はbaという関係になる。
(つまり、図Cにて、=ba

ばね定数が同じばねを並列につなげたとき、それぞれのばねにかかる力は、(物体の引く力)÷(ばねの本数)で求まる。
たとえば、図Dの場合、それぞれのばねにかかる力は、2で割ればよいので12X〔N〕
(ばね定数が同じなので、ばね定数の比は1:1となるため)


解説

(1)問題文にもあるとおり、ばね定数とは、ばねを自然の長さから1.0mのばすのに必要な力の大きさのことですから、ばねののびが1.0mとなるときのおもりの重さをグラフから読み取りましょう。ばねAについて、ばねののびが1.0mのときの目盛りが10.0Nになっているので、ばねAのばね定数は10N/mです。

ばねBについては、ばねののびが1.0mのときの目盛りが読みづらいですね?このようなときは、グラフの目盛りがきちんと読める点を探してその値を利用して考えるのが鉄則です。ばねBのグラフをよく見ると、0.40mばねがのびるときのおもりの重さは1.0Nだということがわかりますね?

ばねののびとおもりの重さの関係は比例といえるので、1.0mのびるときのおもりの重さをxNとすると、
0.41.0=1.0x
0.4x=1.0
よって、x = 1.0÷0.4 = 2.5Nなので、ばねBのばね定数は2.5N/mです。

(2)ばねA,ばねBは並列につながれています。さっきの(1)でばね定数を計算しましたが、ばねAとばねBのばね定数の比は10:2.5 = 4:1です。よって、「重要事項のまとめ」にあるとおり、ばねAとばねBそれぞれにかかる力の比も4:1です。

なので、おもりの重さによってかかる5.0Nの力が4:1に分かれることになりますから、ばねAにかかる力は
5.0×44+1=5.0×45 = 4.0N

(3)さっきの(1)でばねAのばね定数は10N/m、つまり1.0mのばすには10Nの力が必要とわかりました。また、(2)でばねAに4.0Nの力がかかると求めました。よって、ばねAがのびる長さをymとすると、
1.010=y4.0
10y=4.0
y = 4.0÷10 = 0.40mと求まります。

そして、棒が天井と平行になっているということは、ばねBがのびた長さも同じなんですから、求める長さは0.40mです。

(4)さっきの(3)でばねは0.40mのびると求まりました。そして、おもりの重さは5.0Nでしたから、ばね定数は、
5.0÷0.4 = 12.5N/m

(5)ばね定数を求めるには、さっきの(4)のように、おもりの重さとばねがのびる長さの2つの数値が必要になりますから、まずそれらの数値を明らかにさせましょう。図4では、ばねAとばねBは直列につながっていて、おもりは2.0Nのものが1個だけですから、どちらのばねもかかる力は2.0Nです。

よって、ばねAがのびる長さをz1mとすると、
1.010=z12.0
10z1=2.0
z1 = 2.0÷10 = 0.20m

ばねBがのびる長さをz2mとすると、
1.02.5=z22.0
2.5z2=2.0
z2 = 2.0÷2.5 = 0.80m

よって、ばねAとばねBは合計で0.20+0.80 = 1.0mのびることになります。ばねA,Bを1本のばねとみなせば、2.0Nのおもりでちょうど1.0mのびたことになりますね?

ばね定数とは、ばねを1.0mのばすのに必要な力の大きさのことですから、これより、ばねA,Bを1本のばねとみなしたときのばね定数は2.0N/mといえます。