この問題でおさえておきたいこと
電池のしくみと、+極・-極それぞれでのイオンのでき方をおさえよう!
解答
(1)あ…銅 い…亜鉛 う…ア
(2)化学電池(電池でもOK)
(3)$\ce{Zn^2+}$
(4)$\ce{HCl -> H+ + Cl-}$
(5)イ,エ
重要事項のまとめ
・電池に必要なもの
- 電解質の水溶液(硫酸、塩酸など)
- 2種類の金属板…教科書でよく取り上げられているものでは、亜鉛板と銅板を使用
・+極、-極での反応と、電気が流れるしくみ
亜鉛板(-極)…
亜鉛が電子を失って、亜鉛イオン($\ce{Zn^2+}$)になり、水溶液の中に溶けだす
失われた電子は導線を通って銅板(+極)に移動する=これが電気の流れ
銅板(+極)…
亜鉛板から移動してきた電子を水溶液中の水素イオン($\ce{H+}$)に与える
水素イオンは水素原子に変わり、これが2つくっつくと水素分子となるため、銅板から水素が発生する形となる
解説
(1)イオンになって電子を出しやすい金属を-極にしないといけませんが、亜鉛と銅だと亜鉛のほうがイオンになりやすいので、亜鉛板のほうが-極になります。
電流の向きは+極から-極へという流れなんですから、+極の銅板から亜鉛板の-極へというルートになるアの方向になります。
(3)「水素イオン($\ce{H+}$)や塩化物イオン($\ce{Cl-}$)はなぜ正解ではないのか」と思われた人もいるかもしれませんが、これらのイオンはすべてもとから塩酸中に存在していたイオンです。
この問題で答えないといけないのは、実験によって生じたイオンですから、亜鉛イオン($\ce{Zn^2+}$)だけが正解となります。
(4)塩酸の別名は塩化水素です。よって、電離すると、水素イオン($\ce{H+}$)と塩化物イオン($\ce{Cl-}$)に分かれます。
(5)電池に使うことができるのは電解質の水溶液ですから、電解質の水溶液、つまり溶かすとイオンに分かれる物質の水溶液を選びます。
食塩は水溶液になるとナトリウムイオン($\ce{Na+}$)と塩化物イオン($\ce{Cl-}$)に、水酸化ナトリウムは水溶液になるとナトリウムイオン($\ce{Na+}$)と水酸化物イオン($\ce{OH-}$)に分かれます。