この問題でおさえておきたいこと
+極に酸素、-極に水素が1:2の体積比で発生することをおさえよう!
実験のしかたや、体積比をもとにした計算もねらわれる!
解答
(1)物質…イ 理由…ウ
(2)エ
(3)3cm3
(4)8倍
重要事項のまとめ
・水を電気分解すると、陽極(+極)に酸素、陰極(-極)に水素が発生
・酸素:水素=1:2の体積比で発生
解説
(1)純粋な水は電流を通しません。よって、このままでは電気分解ができないので、電流を通すため、水の電気分解の実験では水酸化ナトリウムが必要です。
(2)アはアンモニア、イは二酸化炭素、ウは酸素、エは水素の特徴です。陰極(-極)に発生するのは水素ですから、エが正解となります。
ウとエが少し判別しにくかったかもしれませんが、「空気中には約20%含まれている」という部分で、ウは酸素だと判断できます。
(3)(2)でもふれたとおり、陰極(-極)に発生するのは水素ですから、水素が6cm3発生したことになります。
体積比は1:2なのですから、酸素が$x$cm3発生したとすると、
\( 1:2 = x:6 \)
\( 2x = 6 \)
\( x = 3 \)cm3 となります。
(4)密度とありますが、密度はどういう公式で求めるか覚えていますか?単位はg/cm3で、次の公式で求まりました。
密度= | 質量(g) |
体積(cm3) |
これを使いながら考えましょう。まず、質量については問題で求めなさいとされている事柄ですから、体積からチェックしましょう。(3)で求めたとおり、酸素の体積は3cm3で、水素の体積は6cm3でした。
そして、問題文に出てきた密度ですが、陽極(+極)に発生した気体とは酸素、陰極(-極)に発生した気体とは水素のことですから、酸素の密度は水素の密度の16倍ということになります。これだけでは具体的な数字がわからないので、とりあえず水素の密度を$X$(g/cm3)とおきましょう。そうすると、酸素の密度は$16X$(g/cm3)となります。
これらをさっきの公式にあてはめていくと、水素については、
$X$= | (水素の質量) |
6 |
両辺に6をかけると、
(水素の質量)= $6X$(g)
一方、酸素は、
$16X$= | (酸素の質量) |
3 |
両辺に3をかけると、
(酸素の質量)= $48X$(g)
文字が混じった状態ですが、とりあえずこれで質量は求まりました。よって、酸素の質量は、水素の質量の
\( 48X÷6X = 8 \)倍となります。