この問題でおさえておきたいこと
4回された中東戦争の原因と結果・影響を中心に、重要用語を覚えよう!
解答
問1
A イスラエル B 1949 C イギリス
D ナギブ E ナセル F アスワン=ハイ
G アメリカ H スエズ運河 I フランス
J 1967 K シリア L サダト
M 1973 N OAPEC O OPEC
問2 イギリス
問3 (例)石油危機が発生し、世界経済は不景気とインフレーションが合わさったスタグフレーションに見舞われ、不況に襲われた。
解説
問1 NとOについては、実際の試験ではアラブ石油輸出国機構、石油輸出国機構という解答でも正解となります。
問2 パレスチナ地域は、第一次世界大戦でオスマン帝国が敗れた後はイギリスの委任統治領となっていました。
その期間、イギリスはユダヤ人に対してユダヤ人国家の建設を認めるバルフォア宣言を出したにもかかわらず、アラブ人に対しても独立を認めるフセイン=マクマホン協定を結びました。この二枚舌外交が、パレスチナ問題の原因となってしまったのです。
問3 どのような経済的打撃があったのかまで踏み込んだ解答を書くとよいでしょう。
解答のチェックポイント
- 石油危機という用語を使って、経済的打撃があったことを示しているか
- 不景気とインフレーションの2つ(「スタグフレーション」という用語で済ませても可)に見舞われたことを述べているか
ポイントのまとめ
第1次中東戦争(パレスチナ戦争)(1948~1949年)
原因:
1947年 国連でパレスチナ分割案(パレスチナをアラブ人とユダヤ人に分割する案)が採択
1948年 イスラエル建国
→これに反発したアラブ側がパレスチナに侵攻
結果・影響:
①イスラエルの勝利、国連分割案より多くの領土を獲得
②パレスチナ難民の発生
③エジプト革命(1952年にナセルとナギブが指導する自由将校団によって国王が追放され、共和制になった革命)
第2次中東戦争(スエズ戦争)(1956~1957年)
原因:
アスワン=ハイダムの建設が米英の経済援助ストップで頓挫
→ナセルがスエズ運河国有化を宣言
→英・仏が反発、イスラエルとともにエジプトを攻撃
結果・影響:
国際世論が英・仏・イスラエルを非難→英・仏・イスラエルが軍を撤退
第3次中東戦争(六日間戦争)(1967年)
原因:
ナセルがアカバ湾を封鎖(理由:スエズ運河地帯の国連軍の撤退を要求)
→イスラエルが奇襲を開始
結果・影響:
ヨルダン川西岸地区・ガザ地区・シナイ半島・ゴラン高原を短期間で占領
→エジプトの指導力失墜
第4次中東戦争(1973年)
原因:
ナセルに代わったエジプト大統領のサダトによる第3次中東戦争の反撃
結果・影響:
石油戦略の発動
(OAPEC(アラブ石油輸出国機構)が親イスラエル諸国への原油輸出を制限、OPEC(石油輸出国機構)も石油価格を引き上げ)
→先進工業国の経済に打撃(=石油危機)