この問題のポイント
「一定温度では、溶ける気体の物質量は圧力に比例する」という法則を活かして、物質量に直して考えよう!
物質量⇔体積の変換は、状態方程式を利用しよう!
(1)与えられている条件としては、体積(30ml)、圧力(1atm)、温度(27℃)があります。それだけの条件から、質量を求めないといけませんから、ここで気体の状態方程式を活用します。
状態方程式は、こんな式でしたね。
$PV = nRT$
($P$は圧力(atm)、$V$は体積(l)、$n$は物質量(モル数)、$R$は気体定数(0.082)、$T$は絶対温度)
まず、求める酸素の物質量を$a$(mol)として、この式に代入していくと
\( 1×0.03=a×0.082×(273+27) \)
\( 24.6a = 0.03 \)
\( \displaystyle a = \frac{0.03}{24.6} = \frac{1}{820} \)mol
酸素の原子量は16なので、酸素1molの物質量は16×2 = 32。
よって、求める質量は
\( \displaystyle 32×\frac{1}{820}≒0.03902 \)g
ミリグラムになおすと、約39.0mgとなりますね。
(2)「一定温度では、一定量の溶媒に溶ける気体の物質量(モル数)は、その気体の圧力に比例する」というのが、ヘンリーの法則です。
この法則から考えれば、圧力は5倍になったわけですから、溶ける物質量(モル数)は5倍になるはずです。モル数が5倍になれば、質量も5倍になります。
よって、求める質量は、(1)で求めたものを利用して、
39.0×5 = 195mg
(3)195mgをモルに変換しましょう。195mgは、0.195gですから、\( \displaystyle \frac{0.195}{32} \)molと、とりあえずおけます。
圧力も温度もモル数もわかってるんですから、(1)と同じようにして状態方程式にあてはめれば、体積を$V$(l)とすると、
\( \displaystyle 5×V = \frac{0.195}{32}×0.082×(273+27) \)
\( \displaystyle 5V = \frac{0.195}{32}×24.6 \)
\( \displaystyle V = \frac{0.195}{32}×\frac{246}{10}×\frac{1}{5} \)
これを計算するのは、相当面倒そうですよね?ただ、状態方程式を使っているときの体積の単位はリットルですね。問題では、「ミリリットル」で答えるようにあります。なので、実際に求める数値は、
\( \displaystyle \frac{0.195}{32}×\frac{246}{10}×\frac{1}{5}×1000 \)
\( \displaystyle = \frac{195}{32}×\frac{246}{10}×\frac{1}{5} \)
しかも、これを約分すると、\( \displaystyle \frac{39}{16}×\frac{123}{10} \)とまでなります。小数のものもなくなりましたし、だいぶ計算しやすくなりました。これを計算すると、29.98…となるので、小数第1位で四捨五入すると、30.0mlとなります。
答え.
(1)39.0mg
(2)195mg
(3)30.0ml