問題ページにもどる

この問題でおさえておきたいこと

another, other, othersなどの使い分けは、
単数か複数か
その他全部なのかちがうのか
がポイント!

解答
(1)ウ   (2)ア   (3)エ
(4)ア   (5)エ   (6)ア

解説

(1)「飛行中の鳥は、一つの羽を下げもう一つの羽を上げることで、方向を変えることができます。」

one(一つ)やsome(いくつか)で示したものがあって、その残りについて述べるときに使う単語には種類があります。その使い分けは次のようになっています。

1.残されたうちの1つについて示すとき(他にもまだ残っているとき)

●●●…
One is blue. Another is green.
(一つは青です。もう一つは緑です。)

残ったものがたくさんあり、そのうちの1個だけを取り上げるときはanotherを使います。anotherはan+otherと考えれば「他のものから一つだけ」というイメージがつかめるでしょう。

2.2つのうち残ったものが1つだけのとき


One is blue. The other is green.
(一つは青です。もう片方は緑です。)

2つのうち残ったものが1個だけ(つまり「もう片方」と言いたいとき)はthe otherを使います。残ったもののうちどれのことか特定できるので、theが使われるわけです

3.残されたうちの複数個について示すとき(他にもまだ残っているとき)

●●●●●●●…
One is blue. Others are green.
(一つは青です。他にあるものは緑です。)

●●●●●●●●●…
Some are blue. Others are green.
(いくつかは青です。他にあるものは緑です。)

残ったものがたくさんあり、そのうちの複数個を取り上げるときはothersを使います。(複数個だからotherの後ろに複数形のsがついています)

4.残された複数個すべてについて示すとき

●●●
One is blue. The others are green.
(一つは青です。他すべては緑です。)

●●●●●
Some are blue. The others are green.
(いくつかは青です。他すべては緑です。)

残ったものがたくさんあり、その全部について取り上げるときはthe othersを使います。残ったもののうちどれのことか特定できるので、theが使われ、さらに複数個だからotherの後ろに複数形のsがつきます。

鳥には左の羽と右の羽の2種類だけがあるはずです。一つの羽について述べたら、残った羽は1種類しかありません。よって、theが必要になり、2つのうちの残った1つについて指し示すわけですから、赤枠内の2.のパターンになりますね?よって、「もう一つの羽」について示すときはthe otherが使われます。

もし、イのanotherを使うと、赤枠内の1.のパターンになるわけですから、ほかにも羽があることになり、おかしくなります。ちなみに、エのthe latterは「後者」という意味で、これが使われるときはthe former(前者)という語句があるのが普通です。この問題文にはそれがないので、the latterも不適ですね。

(2)「彼女は最初の種類の香水が気に入らなかったので、販売員にもう一つの種類を見せるよう頼みました。」

ここでのkindは「種類」という意味で、複数形のsもないですから、1種類の香水を販売員に頼んだということになります。よって、さっきの赤枠内でいうところの1.か2.のパターンになるはずですね?

おそらく店で香水を試していると考えられますが、店で販売されている香水はいろいろな種類があるのが普通ですから、1.のパターンと考えるのが自然でしょう。ということは、anotherを使っているアが正解といえます。

ちなみに、〈other+単数名詞〉という形になることはありません。また、the anotherという形になることも絶対ありません(theがつくと残ったもの全部を示すことになるが、anotherはそのような使い方をしないため)。

(3)「私にはここに5つの箱があります。1個は本でいっぱいで、他すべては空っぽです。」

本がいっぱいになった箱が1個だということが先に示されています。そして、問題文の後ろのほうにall(全部)とあります。ということは、空っぽの箱は残りの4箱すべてだということになり、それら以外に箱はないわけですから、さっきの赤枠内に示した4.のパターンになると考えられます。

なので、空所に入るのはthe othersが適切ということになります。

(4)「良いテレビ番組もあれば、子どもにとって悪いと思われるテレビ番組もあります。」

最初にsomeとしていくつかのテレビ番組についてふれていますから、さっきの赤枠内にある3.か4.のパターンになりそうですね?

テレビ番組はいろいろな種類のものがありますが、子どもにとって良いものと悪いものの2種類しかないわけではありません(良くも悪くもないという番組もあります)。つまり、まだほかに残っているということになるので、3.のパターンのothersが正解とわかります。

someとothersをセットに使ったとき、直訳はさっきの赤枠内にもありましたが、「いくつかは~、他のいくつかは…」というような文になります。そこから、Some ~, others …は「~なものもあるし、…なものもある」という意味の構文として使われます。

このSome ~, others …という構文は、長文読解でも対比を示すものとして使われることがありますので、ぜひともおさえておきたい構文です。

(5)「英語を読むことと話すことは別の話です。」

~ is one thingと最初に言っていて、後半でまたisとbe動詞を使った形になっています。このような形になったときは、A is one thing, B is another thing.で「AとBとは別の話だ」という意味をあらわす構文が使われていると考えましょう。なので、空所に入るものはanother thingとなります。

(6)「台風がまだここのあたりにありますから、私はさらに3日間ここに滞在していることとなるでしょう。」

前半で台風がまだあることが述べられていること、will be ~ingという未来進行形で未来の予定を伝えていることから、最後にthree days(3日間)とあるのは「さらに3日間」「あともう3日間」ということを言いたいのだろうと考えることができます。

こういうときにはmoreを使うのが多いと思いますが、moreを使う場合はthree more daysという言いかたになります。つまり、数と名詞の間にはさまる形になるので、ここではmoreを使うことはできません。

「さらに~、あともう~」と言いたいときは〈another+数+複数形〉という言いかたもあります。これならthree daysの間に何もはさまなくてOKです。

ちなみに、(1)の解説の赤枠内にもあったとおり、anotherはふつう1個のものについて使いますが、〈数+複数形〉を1つのかたまりとみなせる場合は複数形があっても使えます。この問題の場合は、「3日間」という1個の期間を示しているので、three daysをかたまりとみなしてanotherを使えるというわけです。