この問題でおさえておきたいこと
動詞は何の時制になるのか、助動詞部分がどういう形になるのかをポイントに仮定法の形を覚えよう!
解答
問1 ① 問2 ④ 問3 ③ 問4 ①
解説
問1 「私は自分の仕事が好きなんだけど、もっと多くのお金を稼げたらいいのに。」
「私もだ。もし私がもっと多くのお金を稼げたら、私は新しい車を買うことができるのに。」
空所がある文を見ると、if(もし~なら)で始まっていて、wouldという単語が使われています。こういう文については、まっさきに仮定法の文法が使われていると考えましょう。この文では、この形が使われていると考えることができます。
仮定法過去(現在の事実に反する妄想をしている形)
If S 過去形 ~, S' | would | … . |
should | ||
could | ||
might |
もしSが~するならば、S'は… | するだろうに。 |
できるのに。 | |
かもしれないのに。 |
「現在」のことですが、事実とは違うことを仮定するわけなので、現在のことから距離をおいて突き放すことを表すために、過去形を使っているわけなんです。
この問題の空所に入るのは、過去形だと考えることができますから、①か③のどちらかだと考えることができます。どちらもdid、hadと単語一語の選択肢ですが、そもそもこの文では何を仮定(妄想)しているのでしょう?それを考えることが、解くカギになりそうですね。
もちろん、何を仮定(妄想)していたかというと、相手の人が言っていた「もっとお金を稼いだら(made more money)」ということですね?ということは、空所に入るのは、その部分を言い換えていることになるはずです。madeという動詞を含んでいることになりますが、動詞を含んだ内容はdoで言い換えができます。よって、didを使うということになります。
「お金を持っていたらと考えてhadを使うのはダメなのか?」と思われたかもしれませんが、そのような解釈はされません。というのも、もしhadで切れている形になると、過去完了で言われた内容を受けていると考えられてしまうからです(had+過去分詞 ~の過去分詞以降を省略したとみなされます)。
問2 「もし私が先月ハンナと別れていなかったら、私は彼女と2年間の付き合いになっていただろうに。」
さっきの仮定法の文ではIfが使われている節に過去形がありましたが、今回は過去形ではなく、過去完了形(hadn't broken)が使われています。ifで始まっていてその節に過去完了形が使われていたら、この形が使われていると考えましょう。
仮定法過去完了(過去の事実に反する妄想をしている形)
If S 過去完了形 ~, S' | would have 過去分詞 | … . |
should have 過去分詞 | ||
could have 過去分詞 | ||
might have 過去分詞 |
もしSが~したならば、S'は… | しただろうに。 |
できたのに。 | |
かもしれなかったのに。 |
現在のことに反する仮定は過去形、過去のことに反する仮定は過去完了形というように、1つ前の時制を使っていることがポイントです。この形を使っている選択肢は④なので、これが正解となります。
問3 「もし万一あなたがあの橋から落ちてしまったら、あなたを救助することはほぼ不可能でしょう。」
この問題では、if節の中にwere toが使われています。このような文は、この形が使われていると考えましょう。
実現する可能性がほとんどない未来の仮定をしている形
・実現する可能性がほぼゼロの仮定、そもそも実現性など考えておらず、単に「もしも…」と想像している仮定→
If S were to ~, S' | would | … . |
should | ||
could | ||
might |
もし万一Sが~ならば、S'は… | するだろう。 |
できるだろう。 | |
かもしれないだろう。 |
・実現する可能性が低いが、まだ起こる可能性がある仮定→
If S should ~, | S' 助動詞(現在形でも過去形でもOK) … | . |
命令文 |
もし万一Sが~ならば、 | S'は…するだろう。 |
S'は…できるだろう。 | |
S'は…かもしれないだろう。 | |
…しなさい。 |
were toを使った文では、助動詞の過去形を使った文しかつづけることはできませんが、shouldを使った文では、助動詞の過去形以外を使うことができるということがポイントです。この形から判断して、正解は③ということになります。
ちなみに、仮定法の形を覚えるときは例文で覚えることを特におすすめします!「If S 過去完了でその後がwould have 過去分詞で…」っていうふうに覚えると、ややこしいし、思い出すときにこんがらがる心配もあります。例文で覚えて、「あの文はこうだったからここは過去形でいいんだよな」「あの文ではあそこでwould have 過去分詞って言ってたな」という形で思い出したほうが、間違いも少なくて実用的です。
問4 「ケンジが、ロンドンへの旅行はすばらしいと私に話してきました。私もあの計画に参加すればよかったと思います。」
wishという動詞の後にまた文がつづく場合は、必ず仮定法を使わないといけません。どのように使ってどういう意味になるかは下のとおりとなります。
事実に反する願望をあらわす形
wish+S 過去形 ~:「Sが~であればいいのに」
(現在のことについての願望)
wish+S 過去完了形 ~:「Sが~していたらいいのに」
(過去のことについての願望)
これについても、1つ前の時制を使っていることがポイントですね。
この文で何の願望を言っているか考えると、おそらくロンドン旅行に行くことでしょう。そのロンドン旅行は現在のことか過去のことかどちらかというと、Kenji told(ケンジが話した)とあるように過去のことですね。ということは、過去のことについての願望なので、wishの後は過去完了形を使っていないといけませんから、①が正しいとなります。