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この問題でおさえておきたいこと

完了進行形・過去完了形・未来完了形の形や意味をおさえよう!

  • 完了進行形 … have[had] been ~ing

  • 過去完了形 … had+過去分詞

  • 未来完了形 … will have+過去分詞

解答
(1)②   (2)③   (3)③   (4)③

解説

(1)「12世紀というかなり昔に、ドイツの錬金術師は、他の鉱石から貴金属を精錬する技術を完成させました。」

現在完了は過去のことが現在にまで続いているときに使われる時制です。こういう理由で、あきらかに過去のことを言っている言葉単独では、現在完了を使うことはできません。ですから、たとえばこのような単語も現在完了といっしょに使えません。

問題の文では、「12世紀」というあきらかに昔のことの話をしているので、この文の動詞のところ(have perfected)で現在完了を使っているのは間違っています。haveは消してしまって、perfectedとふつうの過去形で使えば十分となります。正しい全文はこのようになります。

As long ago as the twelfth century, German alchemists perfected techniques for refining precious metals from other ores.

(2)「何年も前に講義で自分の古い冗談に生徒が笑わなくなってしまったことに気づいて、その年配の教授はショックを受けました。」

英語は、何が先に起こり何が後に起こったのかとか、いつの時点の話なのか(現在のことなのか過去のことなのか、など)とかの事柄をとても気にする言語です。なので、同じ過去の事柄でも、どちらが先のことなのか(=どちらがより昔のことなのか)ということをはっきりと示す必要があるんです。

この問題の場合だと、教授が「ショックを受けた」というのは過去形で書かれてますが、実際に生徒が「笑わなくなった」というのは「何年も前」とあるんですから、「笑わなくなった」のほうがより昔なわけです。そこで、過去形のことよりももっと昔のことですよ、と示す形が必要になってくるんです。

そこで活躍するのが過去完了形です。形は〈had+過去分詞〉です。よく参考書とかで「過去のある時点までの継続や経験、完了をあらわす」なんて説明されてますが、これがわかりにくいという場合は、過去形で語られていることよりもより昔の事柄について過去完了形を使うと理解するとよいでしょう。

そして、現在完了形とあわせるような形で、このような意味で訳されることが多いと覚えると、理解しやすいでしょう。

※この3つ以外に、単に過去形のように「~した」という訳でOKなことも多いです(大過去)。

よって、生徒が「笑わなくなった」とある部分については、この過去完了形を使うほうが適切なのでhad stoppedとすべきです。意味は上の3つの中では、完了の意味としてとらえるほうが一番適切なので、日本語訳では「笑わなくなってしまった」としています(大過去ととらえて訳してもOKです)。この問題を正しい英文にすると、こうなります。

It came as a shock for the elderly professor to realize that his students had stopped laughing at his old jokes in his lecture years ago.

(3)「トムが退職して以来今までずっと、支配人はとても懸命に彼の職務を果たそうとしています。」

since(~以来)という単語があるので、ここでの完了形は継続用法、つまり「ずっと~している」という意味で使われていることがわかります。

この意味の完了形では、動詞が動作動詞(現在進行形とか過去進行形にすることができる動詞)のときは現在完了進行形過去完了進行形を使うのがふつうです。もちろん、「ずっと~している」という現在完了の役割で使うならば現在完了進行形、「ずっと~していた」という過去完了の役割で使うならば過去完了進行形を使います。

この問題では、ever since(~以来今まで)という語句が使われていますから、現在のことにまで関係してくるはずです。ということは、「ずっと~している」という意味になり、そしてtryという動詞は進行形にできる動作動詞ですから、現在完了進行形にするのが適切です。

なので、過去完了進行形のhad been tryingではなく、has been tryingにしなければなりません。正しい英文にすると、こうなります。

Ever since Tom left the office, the manager has been trying very hard to fill his position.

(4)「もしその遊園地をもう一度訪れれば、私たちはそこを5回訪れたことになるでしょう。」

「もし訪れれば」と言っているので、実際は5回訪れたことにはなりません。その回数に達するのは未来のことになるでしょう。未来のことについても完了形があり、それを未来完了形といいます。形は〈will have+過去分詞〉ですが、これも現在完了形と照らし合わせて、このような意味で訳されることが多いと覚えると、理解しやすいでしょう。

ここでは、five times(5回)という回数をあらわす表現があるので、経験用法ととらえて、「~することになるだろう」という意味で使われているわけですね。そして、③のところを未来完了形にしたwill have beenとしないといけません。正しい英文はこうなります。

If we visit the amusement park one more time, we will have been there five times.