この問題でおさえておきたいこと
どのような2文を、どのような形でくっつけてできた文なのかを通して理解しよう!
解答
(1)She (doesn't seem sorry for what she has done).
(2)This story (reminds me of the village in which) I was brought up.
(3)(1)…② (2)…⑤
(4)(1)…⑤ (2)…⑦
解説
(1)英語では「誰がどうする」ということ、つまり〈主語+動詞〉の部分を先に言います。そして、たいていは「誰が」の部分は文の最初あたり、「どうする」の部分は文の最後あたりに書いてるので、それぞれの部分を英訳するとうまくいくことが多いです。
この文では最初に書いてあるのは「彼女は」で、最後に書いてあるのは「ないようです」ですので、She doesn't seemというのが先にきます。「悪いと思っていないようです」とあるので、She doesn't seem sorryと書くことができますね。
そして、be sorry for ~で「~に対して申し訳なく思う」という表現がありますが、この問題ではそれが使えます。何に対して申し訳ないのかというと、「自分のしたこと」です。「自分のした」という部分が「こと」を修飾していますね?
「~すること」という表現になっているので、「~すること」という意味をあらわす関係代名詞whatが使えます。
「自分のした」というのは「彼女がした」ということですから、she has doneと書けますね(並べかえる単語を見るとhasとdoneが残っているので、現在完了を使うと判断できます)。以上のことから、
She doesn't seem sorry for what she has done.
という英文ができます。
下の図を見ると、なぜ関係代名詞のwhatが「~すること」という意味をもつのかわかりやすいでしょう。
ふつう、関係代名詞の前には修飾される名詞(先行詞)がありますが、whatには先行詞にあたる「こと」の部分がすでに含まれてるんで、whatの前に名詞がないのは、そういう理由です。
(2)文の最初にある主語は「この物語は」で、最後にある動詞は「思い出させます」なので、This story remindsと英文が書き始められます(remindは「思い出させる」、rememberが「思い出す」です)。
remindという動詞は、remind A of B「AにBを思い出させる」という形で使うのがふつうです。ここでは、「私に思い出させる」のでAのところにmeが入ります。
何を思い出させるのかというと、「私の育った村」ですね?「私の育った」という部分が「村」を修飾しています。なので、ここで関係詞を使って書き表すんですが、関係詞を使った語句を書くときは、修飾される名詞を修飾する語句の中に戻したときにどうなるかを考えることがコツです。
この問題では、「私が育った」に「村」というのを入れるとどうなるかを考えるわけです。「私が村で育った」という文がふつうですよね?さらに、この文では「この物語は思い出させる」ということもありました。よって、その2つをくっつけると考えて、下のように考えることができます。
本来ならば、
This story reminds me of the village which I was brought up in.
でも正しい文なんですが、この問題はI was brought upで文が終わっているんで、文末の前置詞は関係詞の直前に持っていってもいいという文法を使います。
ちなみに、不要だった単語はrememberでした。
(3)この文は「彼女はオリンピックで金メダルを取った」と、「それはすごいことだ」の2つの文が合わさっています。それぞれの文はそこまで難しくありませんね?ふつうはそれぞれの文を英訳して接続詞でつなげばいいんですが、並べかえる単語の中には接続詞らしきものがありません。そのかわりに関係代名詞として使えそうなwhichがありますね。
そもそも「それはすごいことだ」の「それ」って何のことでしょう?「彼女がオリンピックで金メダルを取ったこと」であって、前の文に書かれたこと全部のことですよね?そこで使えるのが関係詞の継続用法です。関係詞の前にコンマをおいて使うことで、接続詞のような形で関係詞を使うことができます。下の図のように考えるとわかりやすくなります。
こんなふうに、継続用法の関係詞だと、直前の名詞だけじゃなく、句や節、文の内容まるごとを受けることができます。
(4)文の最初あたりと最後あたりを見て主語と動詞を判断したいところですが、この問題の英文を見ると、主語としてThe man(その人)というのが来ています。
英文の終わりはa stranger(他人)となっているので、おそらく「その人は実は他人だった」という文を骨格にしないといけないようです。
そして、The manのあとにwhoという関係代名詞があります。ということは、どういう「人」だったのかということをそこに続けないといけません。日本語の文から考えると、「君だと思っていた」人だということを関係詞句で書くべきだと考えられます。ちなみに、誰が「君だと思っていた」のかというと、この文を話している人本人、つまり「私」ですね。
よって、「その人は実は他人だった」と、「私はその人が君だと思っていた」という2つの文を組み合わせることになりますが、ここで必要となる表現がprove to be ~「~であることがわかる」です(in factで「実は」という意味ですが、並べかえる単語にinがありません)。それを利用しながら考えていくと、このようになります。
I thought wasなんて形になるのは違和感があるかもしれませんが、上のようなしくみでできたことがわかると納得がいきやすいでしょう。
関係詞句の中にI thinkやI believeなど、人が考えているという節が挿入されている文では、その挿入部分に波線をひくか( )でくくりましょう(上の図のように)。関係詞句の中に挿入部分がある問題で、どの関係詞を入れるのが適切かを問う問題がよく出題されます。そのときに、「なんで主格の関係代名詞のwhoを使うのか?」ということも理解できると思います。I thoughtがなかったら、上の問題だとwas youだけ残るので、その部分にとっては主語になるからです。
ちなみに、不要だった単語はfactとtheでした。