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この問題でおさえておきたいこと

前後の文から話題を特定し、その話題に合った選択肢を選ぼう!
文法上の整合性の確認もするようにしよう!

解答
(1)(c)   (2)(a)

解説

長文中の空欄に文や節を入れる問題では、その空欄を含む一文、そしてその一文の前後をよく読んで何の話題をしているのか、その話題についてどういうことを言っているのか(=前後の文の大意)をつかみましょう。

それをやると選択肢が絞られますが、それでも絞れない場合もあります。そのときは、文法の知識も借りて解かないといけないこともあります。「ここの部分で現在形を使ってるから、過去形を使ってる選択肢を入れるとおかしい」というように、文法の観点から考えてみましょう。

(1)空欄の直前にthe earth will open up and swallow him(地面が裂けて飲み込んでしまう)ということが書いてあること、さらにこの空欄を含む文の直前にはresists saying these words(これらの言葉を言うことに抵抗を覚える)とあることがいいヒントになります。

these wordsとは謝罪の言葉のことなんで、空欄の前で言っていることは、筆者の夫は、自分の非を認めて謝ろうとしないということを言っているわけです。そんな夫にとって、地面が裂けて飲み込まれてしまうほどに抵抗を覚えることは何かという観点から、if(もし)につづく内容を絞っていくと、(c)か(d)に絞られます。

これだけでは、選択肢を1個に絞れませんから、文法の知識も活用しましょう。そもそもこの空欄の直前には、ifがありました。仮定法の文じゃない限り、ifの中身は、時・条件をあらわす副詞節になりますから、その中は現在形でないといけませんでしたね?この文では、willがふつうに使われていますから、仮定法の文ではありません。ということは、wouldがある(d)は使えません。

よって、答えは(c)ということになります。「時・条件をあらわす副詞節で…」と考えなくても、単純にif(もしも)の節の中では、willやwouldは使わないと考えて(d)を省くという考え方でもOKですよ。

(2)空欄の直前にtell myself(私自身に言う)とあるんですから、何を言い聞かせているのかということが問題ですね。この直前にはI know he is sorry(彼が申し訳ないと思っているとわかっている)とあります。空欄の後にはit's notとあります。「ではない」と言っているんですが、これだけでは何でないのかわかりませんから、もう少し後の文も見てみることにしましょう。

Being sorry doesn't seem to count(申し訳ないと思っていることは価値を持っているとは思われない)とあります。その条件としてunless he says it(彼(=夫)が言わないのなら)と続いています。つまり、謝罪の言葉を口にしない場合は、申し訳ないと思っていても意味がないと筆者は考えてしまうという内容がつづられているわけですね。

これは、空欄の前に書いてあった「彼が申し訳ないと思っているとわかっている」という内容と反対の感じの内容になってますね?ということは、「申し訳ないと思っている」こと自体だけでは足りないという内容のことをit's not(「ではない」)では示していたということになります。(2)でそのことに触れていたから、it's notと省略した形で言っていたわけです。

その観点で考えると、(a)で「それで十分とすべきだ」という意味が与えられていますから、これがピッタリとなります。「彼が申し訳ないと思っていることはわかってるんだから、それで十分としようと自分に言い聞かせる。でも、それではだめなんだ(十分ではないんだ)」ということを言ってるわけです。

ちなみに、(e)は「私は彼を許す」という選択肢だが、これはダメなのかと思う人もいるかもしれませんが、この選択肢にあるwouldはwillの過去形です。この文は過去形で書かれているわけではありません。また、wouldがよく出る表現は仮定法がありますが、この文は仮定法でもありません。ということで、wouldが使われることは考えられないので、その理由で(e)は不可となります。

全文訳

 「君の気持ちを傷つけて申し訳ない。」と夫は私に言う。

 私は彼が本当に努力しようとしていることはわかっている。何年も一緒にいることを通して、謝ることが私にとって重要だと彼は学んだのだ。自分が間違いをして申し訳なく思っていると夫が言えば、私はほとんどのことを許すことができる。でも、彼はこれらの言葉を言うことに抵抗を覚えるのだ。もし過失を認めれば地面が裂けて飲み込んでしまうと彼は考えているように私には思える。だから、「君の気持ちを傷つけて申し訳ない。」と言うことで、彼は大きな進歩(私の言葉では進歩だが、おそらく彼の言葉では後退だろう)をとげたということはわかっている。だが、私はまだ不満を持ったままである。なぜなら、夫の言い回しは、実際は強くほのめかしているとは思うのだが、自分が何をしたのかではなく、私がどう反応したのかを夫は残念に思っているという可能性を残しているからだ。

 私の夫は、なぜ謝罪の言葉を聞くことが私にとってそれほど大きな意味を持っているのか理解していない。実は、私も理解できていない。彼が申し訳なく思っていることを時には私は理解していて、自分自身にそれで十分だろうと言い聞かせる。でも、十分ではないのだ。彼がそれを言わないのなら、申し訳ないと思っていることは価値を持っているとは思われない。「君を愛している」という言葉(夫はこれを簡単に、そしてしばしば言ってくれると報告できてうれしいのだが)のように、「申し訳ない」という言葉は不思議な力を帯びているように思われる。