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この問題でおさえておきたいこと

どのような省略がされてできあがった分詞構文なのかを考えながら解いていこう!

解答

(1) ア  (2) ウ  (3) エ  (4) イ  (5) イ

解説

(1)「その市の出身なので、私はその店がどこにあるのかをとてもはっきりと覚えています。」

ふつう、2つの文をつなぐときには接続詞、つまり、つなぎことばが必要です。ただし、この問題の選択肢にはその接続詞が使われているものがありません。

接続詞が必要なのに、実際には接続詞が与えられていない。そんなときの文の作り方の一つとして「分詞構文」というものがあります。分詞構文は、省略がされてできあがった構文です。なので何をどう省略していったかということを考えながら見ていくことにしましょう。

もし接続詞を使って文を書いたとしたら、このような形になります。

As I come from that city, I remember where the shop is very clearly.

分詞構文は、最初の接続詞を省いて作ります。そして、この文について、前半も後半もどちらも、主語にIを使っています。同じ主語のときは、これも省略してしまいます。すると、

As I come from that city, I remember where the shop is very clearly.
× × come from that city, I remember where the shop is very clearly.

ただし、もちろん、そんな勝手な書き換えはしてはダメですから、「わざとこういう省略をしたんです」という目印のために最初に残った動詞を~ing形(現在分詞)にするんです。これが分詞構文です。

As I come from that city, I remember where the shop is very clearly.
× × come from that city, I remember where the shop is very clearly.
× × Coming from that city, I remember where the shop is very clearly.

なので、問題の空所にはComingが入ることになります。

(2)「一日の仕事で疲れたので、彼はいつもより早く寝ることに決めました。」

選択肢に登場しているexhaustは「~を疲れさせる」という意味です。be exhausted from ~で「~で疲れる」という意味の熟語になります。受身形の形になっているのは、「疲れさせられる」ということは「疲れている」状態になっているからということですね。

さて、これは(1)と同じパターンの問題となっていますね。なので、(1)と同じように考えてみましょう。接続詞を使って文を書くと、

Because he was exhausted from a day's work, he decided to go to bed earlier than usual.

接続詞と、主語のheを省きます。

Because he was exhausted from a day's work, he decided to go to bed earlier than usual.
× × was exhausted from a day's work, he decided to go to bed earlier than usual.

次に動詞を~ing形にしますね。ただ、今回はbe動詞が最初にきています。省略をしていってできあがる構文が分詞構文ですが、be動詞も省略をされるのが多いです(今回のようにbe動詞が最初に残ることは多いからです)。そうすると、

Because he was exhausted from a day's work, he decided to go to bed earlier than usual.
× × was exhausted from a day's work, he decided to go to bed earlier than usual.
× × Exhausted from a day's work, he decided to go to bed earlier than usual.

こういう仕組みで、受身形の形の文の分詞構文は過去分詞から始まるわけです。よって、正解はウになります。
これで、なんで接続詞がちゃんとあるイが不正解かもわかったかもしれませんね。be exhausted from ~という受身形でないと「~で疲れている」という意味にならないんですから、過去分詞が使われていないのはダメというわけです。

(3)「何をすべきかわからないので、私は完全に途方に暮れ、助けを求めました。」

これも今までと同じようなパターンで考えていきましょう。もし接続詞を使って文を書いたとしたら、

As I didn't know what to do, I was completely at a loss and asked for help.

次に、省略をしていきます。

As I didn't know what to do, I was completely at a loss and asked for help.
× × didn't know what to do, I was completely at a loss and asked for help.

さて、次に動詞を~ing形にしますが、今回はdidn'tが最初にきています。このように、否定形がある分詞構文はNot(またはNever)を最初においてから、動詞を~ing形にするわけです。すると、

As I didn't know what to do, I was completely at a loss and asked for help.
× × didn't know what to do, I was completely at a loss and asked for help.
× × Not knowing what to do, I was completely at a loss and asked for help.

これで正解がエだとわかりますね。

(4)「火を消したので、消防士たちは彼らにこの場を離れるように強く促しました。」

put out ~は、ここでは「~を消す」という意味です。それでは、まずは接続詞を使った形で考えます。

As the firemen had put out the fire, the firemen urged them to leave.

この文で過去完了形を使ったのは、「この場を離れるように促した」ということと「火を消した」ということでは、「火を消した」ということのほうが明らかに時間的に先のことだからです。それでは、省略をしていきます。

As the firemen had put out the fire, the firemen urged them to leave.
× × had put out the fire, the firemen urged them to leave.

さて、次に~ing形をつくるわけですが、ここで一つ注意しないといけないことがあります。片方は過去完了形、片方は過去形の形になっていましたね。このように、時間のずれがあって、動詞の時制にちがいがあり、~ing形にするほうが時間的に先の場合はHaving+過去分詞としないといけません

今回は時制にちがいがあって、今から~ing形にしようとしている部分「火を消した」というのは時間的に先のことでしたね。よって、Having+過去分詞という形を使えば、

As the firemen had put out the fire, the firemen urged them to leave.
× × had put out the fire, the firemen urged them to leave.
× × Having put out the fire, the firemen urged them to leave.

イが正解だということがわかりますね。

(5)「すべてのことを考慮すれば、彼は完璧な教師だと言えます。」

All things considered, ~で「すべてのことを考慮すれば、~」という意味になります。このように、慣用的に使われている分詞構文は、熟語として覚えてしまいましょう。

ほかにもこのような表現があるので、まとめてチェックしましょう。

ちょっと重要なその他の熟語

(3)
be at a loss : 途方に暮れる
ask for ~ : ~を求める

(4)
urge+O+to不定詞 : Oに~するよう強く促す