この問題のポイント
「抵抗値は導線の長さに比例し、断面積に反比例する」性質を使って、並列回路部分の合成抵抗を考えてみよう!
回路全体としては、並列回路とR3の直列接続になっていることに注意しよう!
まず、$R_1$と$R_2$といっぱい抵抗があるとややこしく、考えづらいので、$R_1$について、$R_2$を使って表してみることを考えてみましょう。統一することで、計算がしやすくなるはずです。
まず、同じ材質の導線の抵抗値は導線の長さに比例しますから、$3R_2$とおくことができ、同じ材質の導線の抵抗値は導線の断面積に反比例しますから、結局、$R_1$は、
\( \displaystyle 3R_2÷\frac{1}{3} = 9R_2 \)
とおけます。
$R_1$と$R_2$は並列回路になっています。問題文では、回路全体の電圧値や電流量しか書かれていませんので、まず最初に、この並列回路の合成抵抗を考えましょう。合成抵抗を$R_{12}$とすると、これは、並列接続の合成抵抗の公式を使って、こう表すことができます。
\( \displaystyle \frac{1}{R_{12}} = \frac{1}{R_1}+\frac{1}{R_2} \)
\( \displaystyle = \frac{1}{9R_2}+\frac{1}{R_2} \)
\( \displaystyle = \frac{10}{9R_2} \)
よって、\( \displaystyle R_{12} = \frac{9}{10}R_2 \)
そして、先ほど説明したとおり、問題文には、回路全体の電圧値や電流量しか書かれていませんから、回路全体の抵抗値を考える必要があります。回路全体では、並列回路と$R_3$を直列に配列したものとみることができます。
直列接続では、回路全体の抵抗値は、それぞれの抵抗値をたしたものと等しいですから、回路全体の抵抗を$R$とすると、
\( \displaystyle R = R_{12}+R_3 = \frac{9}{10}R_2+0.30 \)
$R_{12}$は、ここで使うために、求めていたわけですね。
回路全体の電流は1.0A、電池の起電力(=回路全体の電圧)は3.0Vですから、その電流を$I$、その電圧を$E$とすると、オームの法則「\( E = RI \)」より、
\( \displaystyle 3.0 = \left(\frac{9}{10}R_2+0.30\right)×1.0 \)
\( \displaystyle \frac{9}{10}R_2+0.30 = 3.0 \)
\( \displaystyle \frac{9}{10}R_2 = 2.7 \)
よって、$R_2$ = 3.0Ω
$R_1$は、一番最初に$9R_2$とおきましたので、そこに代入すると、
$R_1$ = 9×3.0 = 27Ω
答え. $R_1$ = 27Ω、$R_2$ = 3.0Ω